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マヴィ店主のコラム:ワインを飲むと頭が痛くなりませんか?

このページは、マヴィ店主・田村安が2008年に執筆したオーガニックワインへのこだわり、現地買い付けの際のこぼれ話、イベントのご案内などを当時のまま掲載しております。

マヴィ設立直前から、これから先の未来までを語る連載コラム。かなりユニークな道を歩んできた店主とマヴィの取り組みや想いが綴られています。

店主プロフィール店主のブログ


ワインを飲むと頭が痛くなりませんか

私は70年代にスペインで学生をして遊んでおりました。
午前中(14時まで)は大学のスペイン文化コース、午後(18時から)はスペイン語学校のコースを受けていました。

スペインではワインが水ほど安いといわれています。といっても、裕福な観光客にとってということで、当時の市民や学生にとっては、水道の蛇口から出る水はただ。ワインはどんなに安くても、1リットルで10ペセタはしました。今のレートだと、6円ですが、当時は25円。ある日、日本円が暴落して40円になってしまいました。
当時、私は毎日、日課として、最低2リットルのワインを消費していました。1日50円のつもりが80円です。これでは日本から持ってきたお金が底をついてしまいます。そこで、禁煙で節約することにして、成功しました。タバコは今もやめたままです。

スペインには、酒販免許などという面倒なものは無いようで、ワインは食料品やでも、スーパーでも、時にはパン屋でも手に入りました。しかし、私のような大酒飲みの貧乏人は、ボデーガを利用しておりました。ボデーガとは、元来の酒屋で、量り売りがメインです。店には大きな樽があり、空き瓶を持っていくと、そこにワインを詰めてくれるのです。10ペセタの予算ですから、中身のワインは知れていると思うのですが、店によって大きな差があり、ひどい店は本当にまずいものを売っていますし、よい店は、おいしいものでした。
ですから、おいしくて、値段の高くない店をみつけることが重要です。

大学からの帰りに、いろいろなルートを歩いて、いろいろとボデーガを試してみました。そしてとびきりのボデーガを見つけたのです。その店は、醸造元から直接仕入れているようでした。1リットル8ペセタ。親父が言うには、「頭が痛くならないよ」とのこと。
スペインでは、合成で作ったワインが多く出回っており、そういうものを飲むとわずか1リットルくらい飲んだだけで、頭が痛くなるのです。頭が痛くならないというのは、合成物を混ぜていないということであり、良い自然のワインということでした。

私は、朝、空き瓶を抱えて大学に行き、帰りにこの店に寄って、ワインを詰めてもらい、昼食と午後に飲み干し、夕方、語学学校にいくときにまた空き瓶を持っていって、ワインを詰めてもらっていました。翌日も同じことの繰り返しでした。

同じワインを飲み続けますと、舌がはっきりと味を覚えます。これは、測量のときに、定点の杭を打つようなものです。他のワインを試しますと、違うということが認識されます。
こうして、私は最初の味の定点杭を打ちました。20年以上前の話です。
その後、食品メーカーの駐在員としてドイツ、フランスに暮し、ワインは片っ端からダースで買うという恵まれた生活の後、日本に戻ってきましたところ、ワインを飲むと頭が痛くなる人が多いのにびっくりしました。特にたくさんの女性が「ワインは体に合わない」と思っているようです。

「ワインがかわいそうだ」と私は思いました。これは濡れ衣です。自然なワインなら頭は痛くなりません。

では、なぜ?
そう。日本の小売市場には自然なワインがないのです。
安く輸送するため、温度管理輸送などしていないものがほとんどのため、アラビア湾やインド洋、南シナ海など、熱帯で40℃を越える高温にさらされ、国内でも、トタン1枚の問屋の倉庫、炎天下のトラック、小売店でも棚ざらし、直射日光。この条件でワインをもたせるために、大量の合成保存料が使われるのです。

合成保存料はメタ重亜硫酸カリウムとソルビン酸が使われています。

メタ重亜硫酸カリウムは日本の業界では「メタカリ」と呼ばれています。
ソルビン酸はよくイタリアワインに使われており、ラベルにもそのまま表示されています。
問題はメタカリで、この薬品をワインに加えると液体中で化学反応をおこし、亜硫酸塩(SO2)になり、ワイン全体によく行き渡るのです。
ラベルには「メタ重亜硫酸カリウム」ではなく、「亜硫酸塩」と表記されます。つまり、伝統的に使われてきた硫黄を燃やした気体(SO2)と同じなのです。
私にはこれはメーカーサイドに立った行政によるごまかしと感じられます。

亜硫酸塩自体、有害な物質です。要するに排気ガスです。こんな物質が大量にワインの中に隅々まで行き渡って含まれていると、頭が痛くなったり、喉が炎症をおこしたりして当然です。

ワイン1リットル中の亜硫酸塩含有規制値

ワイン種類オーガニックワインヨーロッパ日本
マヴィ(EU基準)
(残糖分が1リットルあたり2gを超えない一般的な辛口ワインの場合)
(EU基準)(厚生省基準)
赤ワイン100mg/L100mg/L150mg/L350mg/L
白・ロゼワイン120mg/L150mg/L200mg/L350mg/L

(規定(EC) No 606/2009付則I BのパートAのポイント1(a)、(b)、2010年8月1日付規定(EC) No 606/2009の付則I Bより)

フランスNo.1のオーガニックワイン産地のラングドック・ルーション地方の調査平均値は赤ワインが35mg、白ワインが67mgです。
普通のワインはヨーロッパで生産されても日本に向けて輸出される場合、そのタンクにメタカリを追加して添加することが広くおこなわれています。また、すでにボトルされているときは、コルクに注射針を使い、亜硫酸塩を追加して添加することが多いようです。

オーガニックワインでは、ソルビン酸やメタカリなど一切合成保存料の使用は禁止。ワイン液体中で合成した亜硫酸塩でなく、外で硫黄から作った二酸化硫黄を加えることだけが許されています。その量も上記の表の通りEUの通常ワインの半分以下。厚生省基準の1/4以下です。

有害な物質なら使わない/取り除くことを考えるでしょう。
大企業の研究により次の方法がおこなわれており、「無添加ワイン」なるものが作られています。

  1. 微生物の働きを酵素を使用してコントロールする。
  2. 加熱殺菌を行なう。
  3. ミクロフィルターを使い、微生物の死骸を完全に除去する。

これは、とても人工的なもので、ワインとしての味わいが消えてしまっているのです。
また、ヨーロッパではこういうものをオーガニックとは呼びません。

だから、良識あるヨーロッパのワイン栽培者たちは最低限の二酸化硫黄(SO2。ヨーロッパのワイン醸造で伝統的に使われてきたもの)を使用するわけで、温度管理をおこなわなければならない流通に耐えられないワインをつくっているのです。流通者、消費者がオーガニックワインの耐えられる環境(10℃台の温度、70~80%の湿度、なるべく光を当てない、振動を与えない)を用意しなければならないのです。

こういう「本物の」ワインなら、頭が痛くなることはほとんどありません。もちろん、量を過ごして、アルコールによって、頭が痛くなるのは別です。

パリで食品メーカーの駐在員をしていた時代、フランスの香料メーカーと特約を結んで、食品工業向けに販売をお願いしていました。その香料メーカー(A社)は特にSURIMIに強く、その分野では大きなシェアを持っていました。 SURIMIとは日本語のすり身がそのままフランス語になったもので、カニかまぼこのことです。
もちろん原料にカニなど全く使わず、タラなどのすり身にカニの合成フレーバーで香りを付け、MSG(グルタミン酸)と合成味醂で味を付け、赤い着色料を使い、保存料をたっぷり使っているもというシロモノです。
このA社の技術セールス部に行った折、もう1つの主力商品を見せてくれました。小さなビンに入った香料のサンプルで、PaullacだのNuit St. Georgeだの、どこかで見たことのあるラベルが貼ってありました。社長のD氏によると、有名産地の香りは、すべて揃っているとのことでした。これをレベルの高くない安ワインに添加すると、お客さんが喜ぶ香りを付けられるというのです。また、酸味や渋みもどのようにでも付けられる調整剤のビンも一緒にありました。
この当時、私は有名産地に凝っていて、目隠しで85年Paullacなどと当てて、フランス人を驚かして、悦にいっていたのですが、なんだか、情けなくなったのを覚えています。
もちろん、Chateau Latourなどの良質のワインがごまかしをしているということではなく、低品質のワインの「改善」に使われているのでしょうが、スーパーなどで、「こんなワインがこんな価格で」と喜んで買っていたものは、全部「つくりものだった」ということです。
私は食品メーカーにおりましたので、一般市場で売られる食品の裏側はかなりよく知っており、1985年のマンズワイン事件(不凍液入りワイン)などの不法行為があるとは理解していました。 しかし、合法的に、「ごまかし」が行われているとは知りませんでした。それも、お客さんがもっとも求める、色、味、香りのすべてにおいて。
もちろん、ラベルには一切表示がありません。
ヨーロッパでは、食品の原材料表示は厳格に細かく規定されております。日本では、簡単にごまかせるような添加物でも、欧州共通記号でE202だのE308だのと、具体的に表示しなくてはなりません。ところが、そんな欧州でも,酒類は大蔵省の管轄のためか、極めて甘く、原材料表示など一切ありません。まあ、日本の清酒の表示も似たようなものですが...

このA社のD社長とは分野が違うのですが、共通の趣味があり(古いイタリア車)仲がよいので、先日、日本に出張できた折も、訪ねてきてくれました。その時、ワインの色について尋ねたところ、ここだけの話であるが、ワインに使われる着色料及び、安定剤の安全性は疑問だと教えてくれました。最近、安いワインも昔と違い、きれいな色をしていますが、どうなんでしょうか?

合成香料を嗅ぎ分けるのは決して難しくありません。

自然なワインは栓を抜いてから、空気となじんで、徐々に香りが出てきます。そして、香りはどんどんまろやかに変化します。1本のワインを2時間かけて味わったとすると、飽きさせることなく、楽しませてくれます。香りだけでなく、味も同様に変化します。

一方、栓を抜いて、すぐに強い特徴的な香りがしたら、まず、合成の香りです。そして、その香りがいつまでも続きます。私が飽きっぽいのか、グラス1杯飲むのもやっとです。
こういうワインをたっぷり飲んでしまい、翌朝,なんか変な感覚が体に残ってたことがありませんか?
でもそれは、ワイン自体のせいではなく、これらの合成添加物のせいなのです。



>>>オーガニックワインについて


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