繊細なタンニンと力強い味わいが魅力
輝きのあるバイオレット。中心部の濃い色調からエッジにかけてのグラデーションが美しい色合い。
グラスに注いだ瞬間からチェリーやラズベリーなど赤い果実の香りが漂い、キルシュ(さくらんぼの蒸留酒)の香りも感じられます。
口当たりはドライで、初めのうちタンニンや酸味は軽く感じられますが、しっかりと存在しています。
さらりと流れるような印象から、徐々に収斂性が増し、後半ではより強くタンニンを感じます。
口に含むとブルーベリーやカシス、ブラックベリーといった黒果実の香りと味わい。後半にはクローブのようなスパイス感がパッとやってきて、余韻にはココナッツやバニラのようなスイートスパイスがソフトに穏やかに残ります。
シンプルな味わいですが、それぞれが見せる香りや味わいが丁寧で、上品なワインに仕上がっています。
Slowという名前から想像できないほど豊かな香りと味わいで、余韻までの疾走感が心地よい赤ワインです。
モン シリーズ入門編の「スロー モン」
地場品種のボバルを使った「モン」からスタートしたコティーノ家のモンシリーズ。デイリーに楽しめるブレスシリーズに対して、モンシリーズはこだわりを詰め込んだ高級感あふれる仕上がりです。
先に発売した「モン」は粘土と石灰質の混合土壌の畑で収穫されたボバルを使用しており、こちらの「スロー モン」は粘土質の畑のボバルを使用しています。
夜のうちに手摘みで収穫されたぶどうはまずはフレンチオークの樽で発酵させてから、フレンチオークの新樽に移しマロラクティック発酵を行います。発酵後は同じ樽でそのまま4ヶ月間熟成。樽に移した後はバトナージュ(撹拌)を頻繁に行い、ワインと酵母をよく触れさせることで旨味を引き出します。
驚くべきは、十分なタンニンが含まれているにも関わらず、それを感じさせないほどのスムースさ。とげとげしい印象はなく、肉料理などと合わせるとタンニンの存在感を忘れてしまいそうになるほどですが、陰でしっかりと肉の味わいを引き立てます。
マヴィ代表の田村もコティーノ家のモンシリーズは「驚きのクオリティ」と絶賛。
マヴィ代表ブログ:Slow MON(スロー モン)|新着のスペイン 赤ワインを試す
1752年のワイン農場の面影を残す、元廃墟から生まれる極上のワイン
コティーノ家はブレスシリーズなどを造る「アランレオン」とモンシリーズを造る「モンテサンコ」の2つのワイン農場があります。
モンテサンコの館は、1882年にこの地域の領主で政治家のフィデル・ガルシア・ベルランガの館として建てられました。ちなみにこの領主の孫はスペインの有名な映画監督ルイス・ガルシア・ベルランガです。
1752年にはすでにワイン造りをしていた記録があり、今回の建物修復の際に地下には造り付けのワイン醸造タンク室が発見されました。部屋全体がワイン醸造タンクになっており、内壁や天井にはバレンシア名産のセラミックが敷き詰められ、さながら宝石箱のよう。現在はワインの貯蔵や特別なテイスティングルームとして使われています。
歴史とロマンを感じる舞台で作られた珠玉のワイン「モンシリーズ」をぜひお試しください。

より多くの人が楽しめるワインを目指して

コティーノ家の全てのワインラベルには点字が採用されています。(スペイン語ですがアルファベットの点字表記は日本でもスペインでも共通です)
またワインを清澄する際に動物性のたんぱく質を使用しないため、ヴィーガンの方も楽しむことができます。ラベルにもヴィーガンフレンドリーのマークが記載されています。
様々な観点からより多くの人が楽しめる工夫がされたコティーノ家のワイン。
コストパフォーマンスの高いデイリーワインから、樹齢100年のぶどうを使った特別なワインまで、バラエティ豊かなシリーズをお楽しみください。