2018年の試飲コメント
明るい輝きのルビー色。
フランボワーズやプラムを思わせる甘ずっぱい果実香に、わずかにクローヴやナツメグ、その中に樹木を思わせる森林の香りも。
口に含むと、軽快な果実味が舌の上を滑るように広がり、穏やかな酸味と優しい渋み。ひと口飲めば気分も楽しくなる、可愛らしい飲み心地のヌーヴォー。
現当主のフランソワさんは祖父の代からワイン農家をしており、少なくとも5世代前からぶどう作りを行っている家系です。
当時地元の農業高校で教鞭をとっていたフランソワさんは、彼の父が引退するのを機にドメーヌを引き継ぐ決意をしました。奥さんのマリーテレーズさんは研究所で幹部職を務めながら3人の娘を育て上げたキャリアウーマン。彼女も90年代には家庭とワイン造りの仕事に専念するため、退職を決意しました。
ビオディナミ農法を実践するシュブランさんのヌーヴォー
長年マヴィに素晴らしいボジョレーヌーヴォーを届けてくれていたドアットさんの廃業を受け、マヴィは新しいボジョレーの生産者さん探しに奔走していました。そんなとき、マヴィのワインセレクトの長年のパートナーであるボワソーさんに紹介されたのがシュブランさんでした。
ぶどうはアルザスのメイエーさんや黒ワインを造るゴダンさんなどと同じくビオディナミ農法で育てています。
醸造は、長年マヴィのボジョレーヌーヴォー造りの大切なパートナーだったドアットさんと同じ、ボジョレー地方の伝統的な醸造法であるマセラシオン・セミカルボニックを実施。安価で流通するボジョレーヌーヴォーで使用されるマセラシオンアショー(熱を加え、色などを抽出する方法)に比べると時間と手間がかかる昔ながらの方法です。
シュブランさんのドメーヌでは、25℃を超えない低温管理でゆっくりと行います。
ドアットさんのワインとはまた異なった味わいですが、花崗岩質の畑で育ったぶどうからは、きれいな酸味と個性的なミネラル感を楽しめるバランスの良い味わいが楽しめます。