見逃せない、2019年の熟成タイプボジョレー
輝くルビー色。
カシスや木苺を煮詰めた果実香に、シナモンやコリアンダーなど様々なスパイス、紫の花を思わせる香り。
口当たりはしなやかで、軽やかに広がる果実味と酸味、繊細な渋み。
2019年のぶどうで造った熟成タイプのボジョレーワインです。
ボジョレー地区の伝統的な製法、マセラシオン・セミカルボニックでゆっくり丁寧に造られたボジョレー。花崗岩質の畑のテロワールを存分に生かしたミネラル感のある味わいは、まるでブルゴーニュのよう!
見逃せない2019年のボジョレーをぜひ味わってみてくださいね。
ボジョレー地区南西端から
シュブラン家のドメーヌはリヨンの市街地から西に35kmほど、ボジョレー地区南西端の丘陵部に位置しており、南側には標高1,000m級のリヨネ山脈、北側には「黄金の石の国」の異名をもつ、黄土色の石灰質の石でできた建物が並ぶ美しい村々を臨むことができます。
現当主のフランソワさんは祖父の代からワイン農家をしており、少なくとも5世代前からぶどう作りを行っている家系です。
当時地元の農業高校で教鞭をとっていたフランソワさんは、彼の父が引退するのを機にドメーヌを引き継ぐ決意をしました。奥さんのマリーテレーズさんは研究所で幹部職を務めながら3人の娘を育て上げたキャリアウーマン。彼女も90年代には家庭とワイン造りの仕事に専念するため、退職を決意しました。
テロワールを生かしたワイン造りのためのビオディナミという選択

雑草がたくさん生えた自然な畑
シュブランさんたちがオーガニック転換したきっかけは、フランス南部でビオディナミ農法を実践する友人との出会いでした。友人の造る、その土地(テロワール)の特徴を反映した、品質、味ともに優れたワインに感銘を受け、EUのオーガニック認証と、ビオディナミの認証であるデメターを同時に取得することを決意したのです。
それは決して簡単なことではなく、フランソワさんたちにとっても大きな、勇気ある決断でした。
オーガニックでのワイン造りには病気や不作による収穫量の減少など困難がつきものです。また、除草剤、殺虫剤などを使わないため肉体作業も増えます。
しかし、そんな数々の困難がありながらシュブランさんたちはオーガニックでぶどうを育て、ワインを造るこの仕事が好きだ、と言います。化学的な薬品を使わず、自然がありのままに凝縮されたワインを生産していることを、心から誇りに思っているのです。
オーガニックへのこだわり

醸造所のシュブランさん
オーガニック、ビオディナミの実践でシュブランさんたちの畑の土壌はよみがえりました。
たくさんの植物、みみずなどの虫たちが共生する畑は、腐植土が形成されて色が琥珀色に変わってきたがはっきりと見て取れるのだそうです。柔らかく耕された土壌にはぶどうの根が深く張りめぐり、ワインの仕上がりによりその土地の特徴が反映されていきます。
収穫はもちろん手摘み、醸造は、長年マヴィのボジョレーヌーヴォー造りの大切なパートナーだったドアットさんと同じ、ボジョレー地方の伝統的な醸造法であるマセラシオン・セミカルボニックを実施しています。
安価で流通するボジョレーヌーヴォーで使用されるマセラシオンアショー(熱を加え、色などを抽出する方法)に比べると時間と手間がかかる昔ながらの方法です。
シュブランさんのドメーヌでは、25℃を超えない低温管理でゆっくりと行います。
酵母は、もちろん自家採取したもので、市販のものは一切使いません。また醸造中に発酵をコントロールするための二酸化硫黄の添加もせず、瓶詰めの際にわずかな気体を吹き込むのみです。
こうして昔ながらの製法で丁寧に造られたシュブランさんのボジョレーは、畑の特徴をそのまま感じられるような、素晴らしい作品となるのです。
目指すワインの味わい
シュブランさんが目指すワインはもちろん畑の特徴(テロワール)を生かしたワイン。
ミネラル分豊かな花崗岩質の畑から採れたぶどうで造られるワインは、きれいな酸味と個性的なミネラル感を楽しめるバランスの良い仕上がりとなっています。
しかも、オーガニックを実践し始めてからは、よりその特徴がワインに表れるようになったそうです。