貴重な1本
シャルドネを使い、ボジョレーの伝統製法で仕上げた、貴重な無濾過の白ワイン。熟した桃やシトラスの香り。口に含むと瑞々しさの中に、アプリコットや黄桃を感じさせるアロマ。花のニュアンスも漂わせつつフレッシュに残る後味は、大変心地よく、飲む人の心を惹きつけて、エレガントに寄り添います。鶏肉や豚肉の料理、魚介のグラタンと相性抜群。
ボジョレー地区南西端から
シュブラン家のドメーヌはリヨンの市街地から西に35kmほど、ボジョレー地区南西端の丘陵部に位置しており、南側には標高1,000m級のリヨネ山脈、北側には「黄金の石の国」の異名をもつ、黄土色の石灰質の石でできた建物が並ぶ美しい村々を臨むことができます。
現当主のフランソワさんは祖父の代からワイン農家をしており、少なくとも5世代前からぶどう作りを行っている家系です。
当時地元の農業高校で教鞭をとっていたフランソワさんは、彼の父が引退するのを機にドメーヌを引き継ぐ決意をしました。奥さんのマリーテレーズさんは研究所で幹部職を務めながら3人の娘を育て上げたキャリアウーマン。彼女も90年代には家庭とワイン造りの仕事に専念するため、退職を決意しました。
テロワールを生かしたワイン造りのためのビオディナミという選択
雑草がたくさん生えた自然な畑
シュブランさんたちがオーガニック転換したきっかけは、フランス南部でビオディナミ農法を実践する友人との出会いでした。友人の造る、その土地(テロワール)の特徴を反映した、品質、味ともに優れたワインに感銘を受け、EUのオーガニック認証と、ビオディナミの認証であるデメターを同時に取得することを決意したのです。
それは決して簡単なことではなく、フランソワさんたちにとっても大きな、勇気ある決断でした。
オーガニックでのワイン造りには病気や不作による収穫量の減少など困難がつきものです。また、除草剤、殺虫剤などを使わないため肉体作業も増えます。
しかし、そんな数々の困難がありながらシュブランさんたちはオーガニックでぶどうを育て、ワインを造るこの仕事が好きだ、と言います。化学的な薬品を使わず、自然がありのままに凝縮されたワインを生産していることを、心から誇りに思っているのです。
オーガニックへのこだわり
醸造所のシュブランさん
オーガニック、ビオディナミの実践でシュブランさんたちの畑の土壌はよみがえりました。
たくさんの植物、みみずなどの虫たちが共生する畑は、腐植土が形成されて色が琥珀色に変わってきたがはっきりと見て取れるのだそうです。柔らかく耕された土壌にはぶどうの根が深く張りめぐり、ワインの仕上がりによりその土地の特徴が反映されていきます。
収穫はもちろん手摘み。昔ながらの製法で丁寧に造られたシュブランさんのワインは、畑の特徴をそのまま感じられるような、素晴らしい作品といえます。
目指すワインの味わい
シュブランさんが目指すワインはもちろん畑の特徴(テロワール)を生かしたワイン。
ミネラル分豊かな花崗岩質の畑から採れたぶどうで造られるワインは、シャルドネの爽やかさとフルーティーさを存分に楽しめるバランスの良い仕上がりとなっています。