ブレッシング家(ビール生産者)
ブレッシング家のプロフィール
フランス・アルザス
ブラッスリー ブレッシング
Brasserie atrisanale BLESSING
2014年から(認証:ECOCERT)
ヴォージュ山脈麓の小さな村で親子3人で営む小規模ブルワリー(ビール醸造所)。生命工学の元研究者トマと、元建築家ナタリーのご夫婦が地元アルザス産の原料にこだわり、瓶内二次発酵で極少量生み出すビールは受賞多数。創業当初からオーガニック。
商品一覧:ブレッシング家(ビール生産者)
ブレッシング家の詳しい情報
【オーガニック歴】認証は2014年より
ヴォージュ山脈麓の小さな村で親子3人で営むブルワリー。生命工学の元研究者トマと、元建築家ナタリーのご夫婦が地元アルザス産の原料にこだわり、瓶内二次発酵で極少量生み出すビールは受賞多数。創業当初からオーガニック。
アルザスののどかな村で造られるフランス最高峰のビール
ブレッシング家があるヴァルトハンバッハの村までは、アルザスの中心ストラスブールから北西へ車でおよそ1時間ほど。
ロレーヌ地方との境界に広がる北ヴォージュ自然公園の中に位置する長閑な村に、ブレッシング家の小さな醸造所があります。
村のはずれにある小さな醸造所
ドイツとの国境に面するアルザスは、何百年もフランスとドイツ間で領地が争われ、ドイツの文化を色濃く残す場所です。
高品質な白ワインの産地として有名ですが、もちろんアルザスの歴史の中ではビール文化もしっかりと根付いています。
ストラスブール出身でモンペリエやウィーンなどにも住んでいたブレッシング夫妻は、2013年にご主人のトマの祖父の出身地であるこの村に戻り、小さなビール醸造所を作りました。
醸造所は自宅に併設したガレージで、麦汁を煮る窯は近所で購入した中古の牛乳殺菌用の設備を改造したもの。
そんな手作り感満載の設備で造るビールは年間40KLという、クラフトビールの生産者の中でもかなりの小規模ブルワリー(ミクロブルワリー)にあたります。
規模は小さくともブレッシング家のビールの評価は非常に高く、2014年に初めて市場にビールを出してからわずか2年後、2016年のパリ農業コンクールで金メダルと銀メダルを受賞しました。
その後2017年は銅メダル、2018年は銀メダルと毎年受賞し続け、2019年には今までの功績によりとうとう最優秀賞の「Prix d'Excellence」を獲得。
それもそのはず、ご主人のトマは元生命工学の研究者で、科学的な知見から、温度管理による発酵コントロールはお手の物。
さらに奥様のナタリーは元建築士で、小さいながらもワインの品質の追及には十分な設備を整えられたというわけです。
ブレッシングご夫妻
ビール好きで、しかもインテリジェンス溢れる2人が理想のビールを求めて研究した結果、小さな醸造所のビールは、あっという間にフランスで最高峰の品質が認められました。
地元アルザス産にこだわったオーガニックな原料
ブレッシング家のビールに使われるのは、麦(大麦、小麦)、ホップ、水、酵母のみ。
麦芽の焙煎を変えて様々なビールを造ります
もちろん全てオーガニックで、地元のアルザス産にこだわっています。
アルザス産のホップ
材料だけではなくビールを仕込む水も、地元の北ヴォージュ山脈の天然水を使用しています。
森林地帯と粘土質の土壌で磨かれた水は柔らかく、ブレッシング家の造る上面発酵のエールに向いているのです。
すっきりとしたのど越しを楽しむ下面発酵のラガーに比べて、エールタイプのビールは豊かな香りと柔らかな口当たりが特徴です。
生きた酵母が残る瓶内二次発酵
ブレッシング家ではビールの泡を瓶内二次発酵で造ります。ベルギーのクラフトビールなどで用いられる手法ですが、瓶の中でできる泡は繊細で、ビールの香りを引き立てます。
瓶内二次発酵が作り出す繊細な泡
濾過も殺菌もされておらず生きた酵母がそのまま残った瓶内二次発酵のビールは、常温では酵母が活動し、味わいが変わってしまいます。
そのためマヴィのオーガニックワインと同じように20℃を超えない定温での輸送、保管が不可欠です。
日本で流通するビールのほとんどは、大きなタンクで一度に発酵させてから酵母をフィルターで取り除き、瓶詰します。
輸送や陳列の際に温度管理が必要なビールは、取り扱いに手間もコストもかかるため、日本の大手市場で見かけることはほとんどありません。
ワインのように楽しむ美食家のためのビール
ブレッシング家ではビールとお料理のマリアージュ(相性)を意識して造っています。
おすすめの温度は8℃~10℃。
アルザス地方のチーズ「マンステール」とアンバービール
ブレッシングさん曰く「冷やし過ぎたビールを飲んだところで、のど越しの爽快さがあるだけで美味しさは十分に感じることができません。そして冷たいビールは食事との大きすぎる温度差で、単に喉を潤すだけの存在となり、マリアージュを感じる余裕を奪ってしまいます」とのこと。
ブレッシングさんは、白ワインの提供温度と同レベル(10℃~14℃程度)でも美味しくなるよう心掛けているそうです。
「自分のビールを単に消費するものではなく、しっかり味わうものとする」
これがブレッシングさんのビール造りへのこだわりと愛情です。