エジオドーラをご存知ですか?
大変珍しい品種「エジオドーラ」種を50%使った、十分な渋みを持つワインです。深い赤紫の色合に、ミルティーユ(こけもも)を思わせる凝縮した果実香、スパイスや煎ったヘーゼルナッツを感じさせる香りが広がり、非常に力強く濃密。余韻にもコクがあり、インパクトの強い1本です。
タリさんは、このワインを毎年造りたいのですが、ぶどうの出来によっては造れない年もあるそうです。欠品しても許してくださいね!
エジオドーラ
エジオドーラは17世紀に2系統の品種(南西地方に多いフェール セルヴァドウ種[Fer Servadou]とアブリウ種[Abourriou])を掛け合わせて造った比較的新しいぶどうで、常にマイナーな存在。17世紀には既にカベルネやメルローなどのスター品種があったから、メジャーになることはなかったそう。誕生の地・南仏でもごく少量しか栽培されていません。病害、虫害に強く、強さや果実味があり、ワインに複雑さを加える品種。
タリさんいわく、これを使うとワインのバランスが良くなり、どこか懐かしい感じのするワインに仕上げることができるそう。タリさんは1950年代のワインを再現したいからこの品種を植えているんだとか。
このメディタシオンにもどこかほっとするような味わい、ゆったりするようなやさしさが感じられます。
瞑想ワイン、誕生秘話
ある時、「テレビを見ながら飲むようなワインがほしい」といってきたお客さんがいたそうです。
そこに引っかかりを感じてしまったタリさんたち。
「自分たちはそんなワインをつくりたくない」「みんなでソファに座って、話しながら飲むようなワインをつくりたい」
そんな想いから誕生したのがメディタシオン「瞑想」です。
ご主人のガブリエルが最初から完成後のイメージを持ってワインを造り、選んだぶどうが両方とも地中海品種だったので、名前を考えた時に「地中海(フランス語でメディテレネー)…メディタシオン!」と連想したというのも名前の理由の一つ。
特別感のあるワインを造りたかったので、ボトルも昔風のスタイルにし、ラベルもすごく横長のおしゃれなデザインに(最初は一周ぐるりと巻きたかったけれど、技術的に難しかったそう)。
ドメーヌの魅力
南仏ラングドック地方、オード川のほとりにある世界遺産・城塞都市カルカッソンヌ。
そのお城の青い屋根がいくつも見えるところにタリ家のドメーヌはあります。
カルカッソンヌは、地理的には地中海地方に当たるのですが、大西洋岸気候の影響も受けており、南仏とボルドー両方のぶどう品種が栽培できます。メルロー、カベルネ ソーヴィニョン、カベルネ フラン、グルナッシュ、シラー、コット、サンソー、シャルドネ、ルーサンヌ、エジオドーラ…ざっと挙げただけでもこれだけの品種が。
1960年代はじめに、この地をご主人ガブリエルさんのお父さまが購入されたのがそもそもの始まりです。1982年に、今のタリ夫妻(ウェニー&ガブリエル)がお父さまの畑を引き継ぎ、ワイン造りを始めます。自分達の環境を守るため、健康的な製品を販売するため、そして汚染されていない場所で暮らす喜びを追求するため、オーガニックに転換したのは1989年のことです。
以来、努力を惜しまず試行錯誤を繰り返し、次々と素晴らしい作品を生み出し続けています。数々の受賞歴からも、そのワインの完成度の高さが伺えます。
目指すのは、「繊細さと優雅さ、高い表現力を持つワイン」。
「僕たちワイン農家は、一生のうち、うまくいってもたった30回-40回しかワインを作れない。だからこそ毎年、この一回に後悔がないよう、丹精を込めてワインを育てているんだ」