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生産者訪問ツアー

スペイン・アンダルシア6日目

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2015年6月13日 ネヴァド家(アンダルシア)

朝早く、スペインのバルセロナからAVEでコルドバへ向かいます。なんと5時間の長旅です。 昼過ぎにコルドバの町に着き、そのままバスに乗り換え、ネヴァド家のあるヴィジャビシオサという村へ向かいます。

ネヴァド家に到着し、長女のカルメンの案内でさっそく畑へ向かいます。

1764年からこの地でぶどう栽培をしているという記録も残っているネヴァド家。 ぶどうはペドロヒメネスやパロミーノ、アイデンといった品種がありますが、昔から植えられているままにしているため特に品種で分けて収穫することはないそうです。 甘口のドラドを造るときは、一部の畑にぶどうを残しておき、糖分が凝縮するまで待ってから収穫します。

6月はまだ地面が見えていますが、7月になるとぶどうがどんどん成長してつるを伸ばし、地面で絡んでくっついてしまうそう。「つるのせいで人が畑に入れなくなるから、その時期は働かないのよ(笑)」とカルメン。 ただし、今の時期は木の周りの草を手で抜いて、風の通り道を作る作業が必要なのだとか。自然に任せながら、おいしいワインを造るために積み重ねられてきた知恵を感じます。

畑からの景色は素晴らしく、遠くに白い壁の家々が並ぶヴィジャヴィシオサの村の様子も見えます。

丘になった畑の上に、ドラドを熟成させる施設(ボデガ)があります。

整然と樽が並ぶ、圧巻の空間です。 発酵を終えたドラドは一番上の樽に入れられ、ある程度熟成が進むと今度は上から二番目の樽に移され、さらに熟成が進むと三番目…と順番に下の樽に移していきます。 軽めのフィーノで3年以上、マヴィで取り扱っているドラドは10年以上かけて熟成していきます。

ネヴァドさんが、熟成中の樽から直接フィーノとドラドを汲んで試飲させてくれました。 ヴェネンシアという長い柄杓のような専用の道具でワインをグラスに注ぐと、湧き水が流れるような美しい響きが聞こえます。

試飲はまず音を聞き、色を見て、香りをかぐ。ワインがどう歌っているか感じて」とネヴァドさんに試飲のコツを教わります。 言われた通りにゆっくり味わうとグラスに注がれたワインがまるで生き物のように感じてくるから不思議です。 フィーノはアルコール度数が15度くらい、ドラドは17度くらいですが、なめらかな口当たりと芳醇な香りでどこまでも心地よく飲めてしまいます。

マヴィには勉強熱心で次々に新しい技術を取り入れる生産者さんや、ネヴァドさんのように昔から積み重ねられてきた知識と経験、伝統に基づいたワイン造りする生産者さんもいて様々。 そのどちらに触れても素晴らしいなあと感じるのは、マヴィの生産者さんたちが本当に自分たちのぶどう作り、ワイン造りに自信と誇りを持っているからなのだと思います。

ネヴァド家ではオーガニックのオリーブオイルも作っています。オリーブ畑へ…というよりも、山を見渡すといたるところにオリーブの木が生えています。写真の遠くに見える緑の塊はすべてオリーブの木です。 標高が高く半乾燥地帯で強い太陽を浴びたこの辺りのオリーブは、平地のものよりも小粒で、実がぎゅっと凝縮しています。そのためうまみの凝縮したオリーブオイルが楽しめるのです。

ネヴァドさんは農家民宿も経営しており、夏になると都会から自然を求める人たちで満室になります。ナチュラルで落ち着いた雰囲気で、今日はこちらのキッチンでランチをいただきます。 奥様がスペインの伝統的な家庭料理をたくさん作ってくださっていました!

まずは地元アンダルシア州コルドバの名物「サルモレホ」というスープです。 角切りにしたトマト、キュウリ、生ハム、ゆで卵をお好みで皿に盛り、その上からトマト風味のスープをかけていただきます。 スープはトマト、パン、塩、ニンニク、オリーブオイルをミキサーで混ぜたもの。さらに上からオリーブオイルをたっぷりかけても美味しいです。 ガスパチョに似ていますがパンが入っている分スープももったり、ネヴァド家のレシピでは具もゴロゴロ入っているので食べごたえ抜群。

手前の茶色いものは、てっきりケーキのような焼き菓子かと思っていたのですが、生ハムを豚肉で巻き、細かい衣をつけて揚げた「フラメンキン」という肉料理でした。 フラメンキンの中身は、ゆで卵やピーマンといったバリエーションもあるようです。

有名なスペイン風ポテト入りオムレツ「トルティーヤ」と、ヤギのフレッシュチーズの上にこれもスペイン名物メンブリージョというかりんのジャムを固めたものを乗せたデザート。

珍しくも、素材を生かした食べやすいお料理でフィーノやドラド、甘口のドラドもつい進みます。

それにしてもドラドの万能さといったら!生ハムなどのおつまみはもちろん、クッキーなどの焼き菓子にも合います。

食事を終えて色々なお話を聞いていると、分厚い植物辞典を見せてくれました。 ネヴァド家は、大都市のコルドバからはもちろん、ヴィジャヴィシオサの村からも車が必要な距離なので、ちょっとしたけがや病気でわざわざ村に行かなくてもいいように、庭にあるハーブなどを活用しているのです。 何にでもハーブを使おうとする研究熱心な奥様のために、娘のカルメンがこの辞典を買い、ハーブ入りの石鹸を作ったり、傷薬を自家用に作っているのだとか。 せっかくだからと、庭に生えているローズマリーを使った石鹸をお土産にいただきました。

小さな村はずれの美しい敷地で、様々な植物や動物が循環しているのが実感できるネヴァド家にいると、その生活のバランスの心地よさにはっと目が覚める気がします。 過不足なくシンプルでおいしいものを楽しむこと、自然のサイクルの中に無理なく溶け込むように存在する人の思いや伝統、こだわりを大切にすること。 大きな自然の中にいながら、人の持つ喜びや誇りも決して損なわれず、むしろお互いが良いところを活かし合うような理想的な環境で過ごしていると、いつの間にかとてもリラックスした自分がいることに気が付きます。

マヴィの生産者を訪ねると、様々なスタイルはあれど(むしろ様々なスタイルがあるからこそ)、自然の中で自分らしさを保ちながら生活するためのヒントをたくさん得られるような気がします。

素晴らしい出会いとおいしく楽しい時間、生産者さんたちの温かなおもてなしをいっぱいに感じた訪問ツアー。 ご紹介できたのはほんの一部でしかありません。このひとときを、ぜひまたたくさんの方々に現地で体験していただきたいなと思います。

(スペイン編おまけ) 翌日はコルドバの町でメスキータやアルカサルを見学したり、マドリッドでプラド美術館などを観光したり(そしてその間にもたくさん食べて、飲んで…)スペインを満喫して帰国の途へ着きました。

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