
材料(4人分)
- サンドイッチ用食パン 4枚(厚切りの場合は、耳を落として厚さを半分にして使用)
- 卵 3個
- 牛乳 60cc(生クリームでも)
- 粉チーズ 大さじ1~2杯(好みで加減)
- 溶けるチーズもしくはコンテなど 100g
- たまねぎ 1個
- 塩、こしょう
- メープルシロップ 小さじ2杯(はちみつ、砂糖でも代用可)
- バター
作り方
- たまねぎは薄切りにし、バター少々を使ってしんなりするまでよく炒め、軽く塩こしょうし、最後にメープルシロップを加え混ぜてから火を止める。
- ボールに卵を割りほぐし、牛乳、粉チーズを加えて、塩、こしょうも加えてよく混ぜておく。
- パンは好みで4分の1もしくは2分の1に切り、全体の半分にチーズと炒めたたまねぎを載せ、残りのパンでサンドする。
- [3]が崩れないように注意しながら、2の卵液に両面を浸す。
- フライパンを火にかけバターを溶かし、卵液をつけたパンの両面をきつね色になるまで焼いたらできあがり。
※このレシピはちょっと甘い味つけのたまねぎがポイントです。これを加えることで味わいがぐっと膨らみます。手順[4]の段階でオーブンに入れて焼いても良いです。その場合は、パンの上からさらに溶けるチーズをかけるとより濃厚な味わいになります。中にはさむ具もお好みでツナとクリームチーズを混ぜたものやグリルした野菜などでもおいしいでしょう。いろいろお試しあれ。
コラム
一気に夏が訪れたような日があったかと思うと、また4月頃の気温に戻ったりと、相変わらず落ち着かない気候ですが皆様いかがお過ごしですか? 2008年10月に開始したこの連載も、お陰さまで今回で100話を迎えることになりました!本当にありがとうございます。始めた当初はまさかこんな日が来るなんて考えてもいなかったので感慨深いです。
第100話を書くにあたって、これまでの内訳を調べてみました。肉料理23、魚料理11、野菜料理42、デザート13、その他10(※注:「肉と野菜の煮込み」などは肉料理としてカウント)で、自分では魚系がもっと少なくて、デザートはもっと多かったように感じていたのですが、こんな結果となりました。読者の皆様やスタッフたちからの「作ってみました!」「楽しみにしています」というメッセージはとても大きな励みになりました。赤坂本店でのお料理イベントへのご参加はもちろん、マヴィが出店する外部イベントなどでもお声がけいただくことも多く、書くこととお料理という自分の好きなことを形にしながら、喜んでいただけるというのは本当に嬉しくもありがたいことでした。
そしてこの100話。「ヨーロッパのおいしい家ごはん」にふさわしい題材は何かな…としばらく前から考えていましたが、やはりこれを紹介しないわけにはいかないだろう、と落ち着いたのが「パン」です。 ヨーロッパの食卓にはなくてはならないもの。朝・昼・晩と必ず食べていて、お気に入りの店があって、毎朝寝ぼけ眼でフレッシュなものを買いに行く。フランスでは、固くなった翌日のパンは、基本は食べない(フレンチトーストや別の料理になったり、犬やペットのえさにするとか、まとめてパン粉とか)。朝はバゲットにバターとジャムを塗ったタルティーヌをコーヒーやカフェオレとともに。お昼前の小腹が空いた時にはヴィエノワズリー(砂糖のかかったブリオッシュやパンオレザン、クロワッサンダマンドなど、甘いパン)。昼は軽く済ませたい時は、バゲットを縦長に半分に切って、そこに生ハムやチーズなどをはさんだサンドイッチ。もちろんしっかり食べる場合にも、食事のお供には必ずパン。ビストロではテーブルに着くとかごに山盛りのパンがどさっとおかれるのが普通で、基本おかわりも自由。カフェのランチはお皿からあふれそうなサラダとバゲットが定番。もちろんディナーにもパンは欠かせません。スープとチーズの簡単な夕食でも、お友達を招いたホームパーティでも、レストランでも、パンのない食卓はありえません。
パリなど街中では、5軒に1軒のお店はパン屋ではないか?と感じるほど、フランスにはパン屋さんがあふれています。でもこれだけ美味しいパン屋さんがあちこちにあるからか、意外に家でパンを手作りする人は少ないのも事実。パンと一緒に食べるジャムの手作りは多いのに、ちょっぴり残念な気がするものの、確かにあれだけの量をしかもフレッシュな状態で消費することを考えると、手作りしていられない事情もよくわかります。でも周りにパン屋さんのない私のいた山の家では、夏の間は重さ1kgの天然酵母パンを毎日24本焼いていました。私の腕がこんなにたくましいのも、その賜物かも?!
日本ではそれでも食パン率が圧倒的に高いと思うので、今回は食パンでもバゲットでも、固くなったパンでも楽しめる、ワインに合うチーズとたまねぎが入った塩味のパンペルデュ(フレンチトースト)をご紹介します。
そして、今回の100話をもちまして、いったんこの「ヨーロッパのおいしい家ごはん~ワインが美味しい、みんな幸せ~」コラムを終了させていただきます。これまで応援してくださって本当にありがとうございました。またお目にかかれる日を楽しみにしています。
皆さまの食卓がますます美味しく、オーガニックワインとともに笑顔あふれる場となりますように。
(2013年05月20日 長谷川)