材料(4人分)
- 豚ロース肉塊 500~600g(面倒な場合は、しょうが焼き用などをフライパンで焼いても)
- 塩、こしょう
▼スパイシーココナッツソース
- たまねぎ みじんぎり 1/2個分
- 植物油 少々
- クミン粉末 小さじ1
- コリアンダー粉末 小さじ1/2
- パプリカ粉末 小さじ1/2
- ジンジャー粉末 小さじ1
- ココナッツミルク 200cc
- 塩
▼山椒ソース
- 木の芽(葉20枚程度)もしくは山椒の実(10~15粒)
- 白味噌 大さじ3杯
- だし汁(洋風でも和風でも) 大さじ1~2杯
作り方
- 豚ロース肉の余分な水分をキッチンペーパーでふき取り、周りに塩、こしょうして、220℃に温めたオーブンで15分、その後200℃に下げて30~40分焼きます。
- スパイシーココナッツソースを作ります。フライパンにオイルを熱し、たまねぎを炒めます。しんなりしてきたら、スパイスと塩を加え、さらによく炒めます。ココナッツミルクを加えて煮立たせ、味をみながら塩で調整します。
- 山椒ソースを作ります。木の芽もしくは山椒の実は包丁を使って軽く刻んだあと、すり鉢に入れてさらにつぶします。そこに白味噌を加えすりこぎでよく混ぜ、適当なゆるさになるようにだし汁でのばします。
- 焼きあがったローストポークを切り分けます。ココナッツソースは角切りにして、肉をソースの鍋に入れて絡めます。山椒ソース用には薄切りにして、上からソースをかけるか、ソースを添えてそこにつけて食べるようにします。
※どちらもゲヴェルツトラミネールとぴったりの組み合わせです。和のスパイスの代表ともいえる山椒とこのワインの相性は抜群だと思います。オーブンで焼かずに、気軽に薄切り肉をフライパンで焼いても良いでしょう。
コラム
蒸し暑く、じめじめとした“これぞ梅雨”、という感じの天気が続いています。先日は、イタリアはピエモンテのロヴェロさんから、「夏らしい太陽の到来だけど、気温も35~37℃とビックリだよ。」との報告が。ヨーロッパはひと足早い夏本番のようですね。
こんな季節になると、ワインは俄然冷やして美味しい白に注目が集まります。夏だからこそ、スタミナたっぷりのこってりとした料理にがっつり赤、という方もおられるかもしれませんが、食欲があまりないときでも、さっぱりした料理にすっきりと冷やした白を合わせると、元気が出てくるのではないでしょうか。
ただ皆さんもご存知の通り、ひと口に「白ワイン」と言っても、まるで水のようにすっきり爽やかなものから、これはお肉や油脂などしっかりした料理を合わせないとワインが勝ってしまうねー、と言いたくなるようなしっかりものまで、実にさまざまです。それは品種の差でもあるし、土地の違いもあるし、もちろん造りの違いもあります。品種で言えば、例えば南仏のクレレットやヴェルメンティーノなどはすっきり爽やかの代表選手。その軽さや柑橘の香りなど、食事にはもちろんですが、アペリティフとして渇いたのどを潤すのにもピッタリです。アルザスのピノ ブランやオーストリアのグリューナー フェルトリーナーもまさにその爽やかさと軽やかさを堪能できる品種です。世界的に有名な品種であるシャルドネもステンレスタンク仕上げの若いものはとてもすっきりとしています。
土地の違いで言えば、海に近かったり、平地で栽培されたぶどう、また比較的寒冷地でできるものは、丘の斜面や太陽がさんさんと降り注ぐ土地でできるぶどうと比べるとさっぱり仕上がることが多いです。ただ土壌の成分や地層も大きくものを言うので、本当に隣の畑に見えても味わいが大きく違ってくるのがワインの面白さであり、複雑さ。上記はあくまで一般論なのでご参考までに。
そして造りについて言えば、ご存知の方も多いと思いますが、樽熟成したものは一般的にぽってりとした厚みがワインに出てくることが多いです。反対にあえて炭酸ガスを感じるように仕上げたものはよりスカッとした爽やかさを出すことができますし、また一方で糖分が高いブドウだと甘みさえ感じる仕上がりになる場合もあります。また香りの華やかさを損ねないような造り、強調するような造りなどによっても飲む人が受ける印象は大きく違ってきます。
アルザスのゲヴェルツトラミネールという品種は、「スパイス」という意味をもつ言葉が入っているその名の通り、スパイシーなお料理に合うことで有名です。できるワインは白ですが、熟したときの果皮は日本のぶどうで言うと甲州のような、ちょっと赤みがかった、フランスでは「グリ(gris)」と呼ばれる色をしています(実際にグレーという訳ではなく、黒と白の中間という意味でグレーと呼ぶようです)。しっかりと熟すまで待った、凝縮した果汁で造られるメイエーさんのゲヴェルツトラミネールはたっぷりとボリュームがあり、香りも実に華やか。今日のレシピは、そんなスパイシーなお料理に合うということを証明しようと作ってみたものです。5月の白ワインの会でもそのマリアージュの楽しさを堪能いただいたメニュー。皆さんもぜひお試しあれ。
(2012年7月2日 長谷川)