
オリジナルレシピです。イギリスで食べたものがどれも「白いんげん豆のケチャップ煮込み?」と思えるくらい甘い感じのものが多かったので、以前やってみた手作りトマトケチャップをベースにアレンジしてみました。もちろん甘さ控えめにして、チリでピリッとさせたり、ハーブを加えたり、応用はいろいろ利くと思います。
材料
- ホールトマト 1缶
- たまねぎ 小1個
- にんにく 1片
- 砂糖 大さじ1杯
- りんご 1/2個
- ナツメグ 少々
- 白ワイン 150cc
- 白いんげん豆水煮 1缶(乾燥豆を戻し、水煮したものでももちろんOK)
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩、こしょう
作り方
- たまねぎ、にんにくはみじん切りに、りんごは皮をむいて薄切りにしておく。
- 厚手の鍋にオリーブオイルを熱し、たまねぎとにんにくを入れ、中火の弱火でゆっくりとよく炒める。
- たまねぎが透き通ってきたら、砂糖と塩こしょうを加え、少しあめ色になるまでさらに炒める。
- [3]にりんごを加える。りんごがしなっとしたら、白ワインを加え、強火にして煮立たせる。
- 沸騰したらホールトマトを崩しながら加え中火で煮込んでいく。途中味を見ながら塩で調整し、2/3~半量になるくらいまで煮詰める。
- [5]に既に柔らかく煮てある白いんげん豆を加え、よく混ぜ10~15分ほど焦げ付かないようによく混ぜながら煮込みます。最後に火を止めてナツメグを少々加え、さっとひと混ぜしてできあがり。
コラム
9月になりましたね。各地で被害をもたらしている台風が気になりますが、まだ完全に通り過ぎたわけではないので、どうぞ十分にお気をつけください。まだ少し先になりそうですが、実りの秋は青空と美味しいものを大いに満喫したいものですね。
今日は久しぶりにフランスを離れて、昨夏訪れたイギリスの話をしてみようと思います。 私が初めてイギリスを訪れたのは、今をさかのぼること10年以上前の1998年。そのときはロンドンのみ1週間ほどで、しかもフランスの山奥から旅行に出かけたという事情もあり、「自然がない!緑が見たければ公園に行くしかない!」「サンドイッチは売ってるけど、普通のパン屋がない!」「朝食もありえないくらいまずい!(ジャムとか本当にひどい代物でした…)」と、美術館や博物館の充実度やマーケットなど楽しんだものもいっぱいあったのですが、とにかく物価が高くて大変、という思いでいっぱいでした。
去年は、たまたま友人がマンチェスターの方にいる関係で、彼らを訪ねがてら、ロンドンではないイギリスを、しかも現地人に案内してもらいながら(これが、いつでも最良の旅の方法だと私は思います)の5日間でした。マンチェスター空港に迎えに来てもらったあとは、どんどん北上し、スコットランドとの境界にも近い、ヘクサムというところまで。1泊した翌日は、ノーサンバーランド国立公園の南端部に位置するHadrian’s Wall、ローマ皇帝のハドリアヌス帝の時代に造られた、当時全長120kmに渡った石が積み上げられた壁を見に行きました。1987年にはユネスコ世界遺産にも登録されたそうです。どこに連れて行ってもらうかも何も知らなかった私は、大感激!ただ、ここの寒かったことと言ったら!!イギリスに向かう前、パリのあまりの暑さに閉口気味だったので、「まさかいらないよね。」と置いてきたフリースやタイツのことを何度も考えざるを得なかったくらい、外にいると凍えそうでした。
この旅はイギリスだし、そして案内してくれた二人も宿を取るときは、おいしいパブのあるところと決めている、というほどのビール好き。だからワイン屋の私ではありましたが、郷に入っては郷に従えと、夕方になると毎晩のようにパブでビールを…。あの独特の生ぬるさに最初は驚きましたが、本当にたくさんの種類を味あわせてもらいました。パブでブリッジに興じるおじ様たちとも仲良くなったり(笑)。
そして、何よりイギリスで衝撃的だったのが朝食!ロンドンのあの貧相な朝食は何だったの?!(私の泊まったホテルが問題だったんでしょうけど)というくらい、超豪華、というか「これどう考えてもブランチだよね?」という大盛りぶり。イギリスを旅された方は多いと思いますし、ご存知の方も多いでしょうが、あえて書いてみると、卵(目玉焼き・ボイル・ポーチ・スクランブルのいずれか)、ハム、ベーコン、ソーセージ、ブラッドソーセージ、ベイクドトマトにマッシュルームのソテー、燻製の魚を焼いたもの、そしてベイクドビーンズにトースト。これにたっぷりのミルクティー、ホテルによってはフルーツなどもあります。もちろん、上記全部を頼まなくても、食べたいものだけ選べば良いのですが、「フル」と伝えるとぜーんぶ出てきます。「フル」まではいかなくとも、やっぱりチョイスを見せられるとあれもこれも試してみたくなる。食いしん坊のさだめですね、全く…。
というわけで、今日は現地では缶詰でお手軽に済ましてしまう、焼いてないのになぜか“ベイクドビーンズ”という名の、昼や夜のおかずにも十分いけそうなお料理です。
(2011年9月5日 長谷川)