
材料(直径24cmくらいのタルト型1台分)
- りんご 4~5個
- タルト生地(いちごのタルト参照、市販の冷凍パイシートでも)
- 塩分入りバター 20g
- 砂糖 80g
作り方
- タルト生地を準備し、丸い塊の状態で30分ほど寝かせておきます(冷凍パイシートの場合は、メーカーの指示に従って、適当な時間に冷凍庫から出しておく)。
- りんごは4つに割って芯を取り、皮をむいておきます。
- 大き目のフライパンに砂糖全量と大さじ一杯弱の水を加え強火にかけます。ふつふつとしてきたらバターを加えてとかします。
- だんだんと色付いてきて、キャラメルができてきます。後半は一気に焦げていくので、適当なところで火から外せるよう、必ず側についていてください。
- キャラメルができたら、火を中火にして、[2]のりんごを入れ、お箸などを使って、それぞれのりんごの周りにキャラメルを絡めます。りんごに火を通すのが目的ではないので、周りにキャラメルがついたら火を消します。
- タルト型にキャラメルりんごをできるだけ隙間のないようにしっかりと詰めていきます。
- 180℃に温めておいたオーブンに[6]のりんごを入れ、5分ほど焼きます。
- その間に生地を準備します。軽く粉をふった作業台の上で、型よりも少し大きめに延ばしておきます。
- オーブンからタルト型を取り出し、[8]で延ばしておいた生地をりんごの上から、型にふたをするように被せ、すぐオーブンに戻します。
- 引続き40~45分ほど焼き、生地が色よく焼けたらできあがり。上からお皿をかぶせて引っくり返し、キャラメル色に染まっておいしそうなりんごが見える形でサーブしてください。
※最後にひっくり返すので、そうなった時にきれいに見えることを意識しながらりんごを詰めましょう。熱々にアイスクリームや生クリームを添えてどうぞ。冷めたらまた違う味わいです。
コラム
あちこちの庭先の梅がとてもきれいに開いて来ました。こないだヌーヴォーが終わって本格的な冬だ~、と思っていたのに、もうあっという間に春の知らせ。1月の終わりに展示会で会った生産者たちから、「4月に日本に行くよ」とか「もうすぐビン詰めだよ」とか、こちらもにわかに春に向けてのニュースが続々と届いています。
最近少し落ち着いてきた感はあるものの、塩スイーツの勢いはすごかったですね。その火付け役となったのはフランスの塩バターキャラメルではないかと思います。
フランスでことさらに「塩バター」と「塩」が強調されていることには理由があって、通常フランスではバターと言うと日本で言うところの無塩バターを指します。パンに塗るのも、お菓子や料理に使うのもこれが普通。ただ好きな人向けに塩分入りも売られています。これがいわゆる「塩バター(beurre sale)」。日本で塩分が入っていないバターを区別して「無塩バター」と呼んでいるのと全く反対の現象です。ちなみに、この「beurre sale」と呼ばれているものには、3%以上の塩分が含まれており、スーパーなどでよく見かける「demi-sel(薄塩)」は、0.5%以上3%未満の塩が含まれているのだそうです。
ブルターニュ画像ところが、特にバターを始めとする乳製品で有名なブルターニュ地方では、古くからバターと言えば塩分の入ったもの、という認識がありました。理由は保存とあとお料理好きな方ならご存知だと思いますが、良い塩で有名な「ゲランドの塩」がとれるのもブルターニュ。2つが結びつくのに時間はかからなかったと資料で読んだ記憶があります。だから当然ブルターニュのお料理やお菓子には、「塩バター」が使われるというわけ。キャラメルやクレープ、クイニーアマン、サブレなど、ブルターニュにはバターを使ったおいしいスイーツがいっぱい。それが本国フランスの他の地方でも、日本でも大流行となりました。
私はお料理するのも好きですが、お菓子づくりも大好き。それもケーキ屋さんで見るようなため息の出るような美しいよそ行きのお菓子ではなく(まあ、そもそも作れませんが…(-_-;))、素朴な、フランスのお母さんやおばあちゃんが日常に作るような、ずっと何回も作ってきたから、適当にささっと作れてしまう、そして子どもや孫たちから「いろんなとこで食べるけど、家のが一番なんだよね。」と言ってもらえるような定番お菓子。
今日はそんなお菓子のひとつを塩バターキャラメルでちょっとアレンジしてご紹介します。一見面倒に見えるかもしれませんが、材料とオーブンがあれば、わりとあっという間にできてしまいます。この季節なら熱々が絶対においしい。でも冷めたら冷めたで味が深まってまたおいしい。りんごをたっぷり使うので、あまり重く感じないのも嬉しい(あ、でも食べ過ぎるかも…!)。ぜひ皆さんの定番レシピにも組み込んでくださいね。
(2011年2月21日 長谷川)