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ブリアール家

ブリアール家のプロフィール

フランス・シャンパーニュ

ヴァンサン ブリアール

Vincent Bliard

1970年から


「シャンパーニュのゆりかご」と呼ばれるオヴィレ村で代々続くぶどう農家。斜面の一等地に畑をもつブリアール家は1970年にオーガニック転換したパイオニア。隣の畑と比べると月と緑あふれる地球くらい差が歴然。


商品一覧:ブリアール家

シャンパーニュ(3年熟成) 発泡

通常価格 ¥ 11,330 税込
会員価格 ¥ 10,423 税込
通常のシャンパーニュの倍以上の熟成をさせた逸品。香り味わいともに複雑で芳醇なシャンパーニュ。

シャンパーニュ ロゼ (3年熟成) 発泡

通常価格 ¥ 14,850 税込
会員価格 ¥ 13,662 税込
厚みのあるボディと心地よいアロマ。見た目を裏切らないエレガントな仕上がり。

シャンパーニュ(7年熟成) 発泡

通常価格 ¥ 19,800 税込
会員価格 ¥ 18,216 税込
豊かな果実味を持つ、豪華な仕上がり。まるでムースのような口当たりは高品質の証拠。
  • 化粧箱・木箱不可

シャンパーニュ ブラン ド ブラン 発泡

通常価格 ¥ 17,820 税込
会員価格 ¥ 16,394 税込
シャルドネの出来が突出した年のみに醸される貴重で贅沢な1本。複雑かつ繊細な素晴らしい仕上がり。

ブリアール家の詳しい情報

ブリアール家

【オーガニック歴】認証は1970年より

「シャンパーニュのゆりかご」と呼ばれるオヴィレ村で代々続くぶどう農家。斜面の一等地に畑をもつブリアール家は1970年にオーガニック転換したパイオニア。隣の畑と比べると月と緑あふれる地球くらい差が歴然。



ブリアール家について

プルミエクリュ(一級畑)を持つ家族経営のRM

ブリアール家は、オヴィレ村で代々続いているぶどう農家。 オヴィレは、658年にできた伝統的なシャンパーニュ地方の村で、かの有名なドン ペリニョンがシャンパーニュの完成に心血を注いだ地でもあります。

ドメーヌ名の「ヴァンサン ブリアール」は、現在のご主人のお名前です。今でも現役でバリバリ活躍していらっしゃるヴァンサンのお父さまのジャンは1970年にオーガニック転換したパイオニアで、以来ブリアール家ではずっとオーガニックワインを造っています。

希少なオーガニック シャンパンを造っているブリアール家は、大の親日家でもあります。お宅には、来日時に入手した日本グッズや写真、マヴィスタッフがプレゼントしたヴァンサンと奥さまのマリー=オディールの漢字名も飾ってあり、日本茶も大好き、スタッフがお邪魔した時にはおつまみにおかき(米菓)が出てきたり。日本人としては思わず鼻の奥がツンとしてしまいます。

ブリアール家にはマヴィ店主もスタッフも、何度もお邪魔していて、2004年来日時には、その他のスタッフともたっぷりと交流し、もう、とっても仲良くなりました!彼らの素晴らしいお人柄から、このシャンパーニュが生まれるのだと、彼らをより知るたびに実感します。。。特別な時には、ぜひこのワインを大切に味わいたいものです。

詳しくは、是非スタッフの訪問記をお読みください。

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1つの村には1つの歴史があります

オヴィレは、伝統的なシャンパーニュ地方の村で、658年にできました。丘の側面に位置し、マルヌの谷を見下ろしています。そして、オヴィレは18世紀以来、ドン・ペリニョンのおかげで、"シャンパーニュのゆりかご"と呼ばれています。ドン・ペリニョンはベネディクト派修道院の食事係で、ワインのためのぶどう栽培とワイン醸造に非常な情熱を持っていました。そして、彼の生涯を、祈りとともに、この高貴なワイン"シャンパーニュ"の熟成に奉げたのです。彼が発見した「ワインの基本」はたくさんあります。例えば、違った土壌のぶどうを混ぜるということ、圧搾の仕方、ビンを封するためにコルク栓を使用することなど。歴史によれば、修道院の蔵(カーヴ)の中で、シャンパーニュの泡の秘密を発見したのは彼だと言われています。1715年に没した後も、修道院付属の教会本道の中央で、ずっと静かに眠っています。


誰でも知っていることを、誰にも真似できない方法で ~ 40年以上のオーガニック農業 ~

ブリアール家は、代々続くぶどう農家です。自然と環境を心から敬って、ヴァンサンは40年来、細心の注意と情熱をもってオーガニック農業でぶどうを育てています。オーガニック農業では、化学肥料や合成農薬は禁止され、肥料を与えたり病害虫への対処は、自然なものしか認められていません。

シャンパーニュ地方では、北部の気候と地中の石灰質に完全にマッチした3種類のぶどうが作られています。シャンパーニュ・ヴァンサン・ブリアールで造られるシャンパーニュは、3種全てのぶどうを使って醸造しています。おかげでそれぞれの良さが結びついて、すばらしい調和が生まれるのです。その3種とは、

シャルドネ 白ぶどうで、上品さと繊細さをもたらします。
ピノ ムニエ 赤ワイン用の黒ぶどうで、フルーティなアロマに影響します。
ピノ ノワール 赤ワイン用の黒ぶどうで、ワインの力強さやボディに影響します

職業とは、情熱です

私たちの職業である栽培醸造家(注)に誇りをもって、私たちはシャンパーニュ製造に必要なあらゆる工程において熟練しています。若枝からぶどうが実るまで、収穫から圧搾まで、第一次発酵から滓抜き、ビンのキャップをはめて出荷するまで…、全ての作業が最上のぶどうとワインをつくり上げるように受け継がれてきた、家族のノウハウなのです。

私たちのシャンパーニュは、すばらしい樫樽での熟成と、さらにカーヴでじっくりと寝かされることから、非常に特徴があって、特別であるということを強調したいと思います。こうして、誰にも真似できないスタイルができあがるのです。

注)栽培醸造家…レコルタン マニピュラン(RM)。ぶどうの栽培からワインの醸造、瓶詰までを一つの農家で手掛ける。


土地のアクセントが効いたシャンパーニュたち

3種類のシャンパーニュをご用意しております。全てシャンパーニュ地方のぶどう品種全3種を使用し、樫樽で熟成しています。

キュヴェ・カルト・ノワール

シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエを合わせたカルト・ノワールは、最低3年間カーヴで熟成しており、生き生きとしてかつエレガントなワインです。また花のような軽いアロマと樽の香りが心地よく混ざり合っています。アペリティフに最適でしょう。

>>商品詳細


ブリュット・プレスティージュ

5年間はカーヴに寝かせられたこのワインは、洗練されており、バランスがとれています。古い金を思わせるような反射を伴った金色に輝くローブと、細やかな泡に魅せられる人が多いでしょう。しかし、さらにひきつけられるのは、熟した果物の香りの後に、アカシアの蜂蜜が隠れている複雑なアロマでしょう。アペリティフからデザートまで付き合えるワインです。


ブリュット・エクセランス

わがカーヴの花形、とっておきのキュヴェです。カーヴの奥での7年間の眠りから覚めたこのワインは、すばらしい熟成と、口に含んだときのしっかりとした樽の香りの奥に、砂糖漬けの果物のような香りがしのんでいるのが特徴です。真の喜びをもたらすこのシャンパーニュは、あなたの人生のもっともすばらしい瞬間を、家族や友達と過ごすとき、必ずやお供することになるでしょう。

>>商品詳細

(パンフレットより)

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スタッフの訪問記【2019年1月】

フランス・パリから電車で45分。今日はこれからシャンパーニュの生産者を訪ねます。

シャンパーニュの中心地ランスの駅に到着し、レンタカーを借りていざ出発と思ったら、予約したはずの車が用意できないと言われてしまいました。聞くと雪の影響で、借りる予定だった車がこちらに戻るのは5時間後、代わりの車も全て出払っていて一切無いとのこと。

フランスでは予想外のことが起きるのが当たり前なので「またか…」という感じですが、5時間後まで車が無いのはさすがにマズイ。しかも5時間経っても来ないような気もするし…。幸い隣のレンタカー屋で別の車を急遽手配することができ、取り急ぎランスの駅を出発しました。

車からはランスの大聖堂、ここはジャンヌダルクの勝利で王位についたシャルル7世が戴冠をし、その後ブルボン王朝の歴代の王が戴冠式を執り行った場所としても有名です。車窓から見るだけでもすごい迫力の荘厳な建物でした。訪問するのはエペルネ駅からほど近いドメーヌ、ヴァンサン・ブリアール。道中はすっかり雪景色です。今年は例年に比べて特に雪が多い年だとのことでした。

可愛らしい建物が並ぶ町並みの中、ヴァンサン・ブリアールに到着。

その入口にはこんな可愛い看板がかかっていました。

この町ではそれぞれの家にその職業をモチーフにした看板を出すのが特徴なんだそう。昔は字が読めない人も多かったため、こうした看板を外に出す習慣があり、それが今も続いているとのことでした。

ブリアール家の看板は畑を耕す馬がモチーフです。醸造所の壁にも大きく馬の絵が描いてありました。

出迎えてくれたのは当主のヴァンサン。雪の中ですが、畑に案内してくれました。

すっかり雪に覆われた畑。ヴァンサンは畑の雪を手でかき分け、雑草を生やしっぱなしにしている土の様子を見せてくれました。

ここはシャンパーニュ発祥の地として名高いオヴィレ村、その中でも一等地の斜面にブリアール家の畑はあります。

南向き、土壌が厚く、3方向からの風からも守られる位置にある抜群の立地。そのためぶどうがとても良く熟すそうです。畑の上の方にはシャルドネとピノノワールを植えていて、下には霜に強いピノムニエ。この3種類のぶどうを絶妙にブレンドして、ブリアール家のシャンパーニュは生まれます。畑にはオーガニック農家にはよく見られる薔薇も植えられていました。

薔薇はぶどうよりも先に病気を知らせてくれるため、植えることで畑に病気が蔓延するのを防ぐ効果があります。畑の後は醸造所を見学。

シャンパーニュ特有のプレス機。

これを使ってなるべくゆっくり、柔らかく丁寧に葡萄を絞ります。トータルで4時間もの時間をかけて絞るそうです。絞った果汁を発酵させる大樽。

ヴァンサンに昨年2018年の出来を聞いてみると「全てにおいてすごく良い年だった」とのこと。「メルヴェイユー!(=フランス語で大変素晴らしい!の意味)」と答えが返ってきました。

「自分が長年経験した中でも一番といえるほどの出来だったと思う」とのこと。

非常に質の良いぶどうが、しかもたくさん取れたので、今まで作っていないスペシャルなキュヴェに新しく挑戦できるかもしれないとのことでした。よほどの良年ですね。

そのときカーヴにヴァンサンの娘、フローレンスが入ってきました。抱えているのは生まれて4か月の赤ちゃん。

実はフローレンスは昨年(2018年4月)マヴィの20周年で来日し、様々なイベントでワインを紹介してくれました。直接お話したお客様もたくさんいらっしゃるはず。


来日時の様子

その時フローレンスは妊娠中でした。見た目にも大きなお腹でハードな行程をこなす様子をハラハラしつつ見ていましたが、無事その子が誕生して今回会うことが出来ました。おめめクリックリです。名前はナトンちゃん。

その後はヴァンサンに代わってフローレンスがカーヴに案内してくれ、いろいろと説明してくれました。

その間もナトンは一回も泣かず、大声も全く出さず、興味深そうにこちらをのぞき込んだり、笑ったり。そうしているうちに寝ちゃいました・・。

フローレンスとそのご主人が現当主ヴァンサンの後を継ぐことになります。その後はナトンに引き継がれるのかもしれませんが、こんな中でも動じずにスヤスヤ眠っているのを見て後継ぎとしてふさわしい堂々たる姿に微笑ましく思いました。

そのあと試飲ルームに移動して試飲。美味しいシャンパーニュは本当にたちまち幸せにしてくれますね。

ブリアール家のオーガニック農業は1970年から始まり、もう50年にもなります。地道に積み重ねてきた土壌が生み出す力強い深みのある味わいは、ひとくち飲むだけで「今まで飲んできたシャンパーニュと全然違う」と驚かれるお客様も多く、私たちにとっても誇りといえる味わい。そんなブリアール家の味を、この先もずっと家族で守り続けてほしいなぁと試飲しながら思わずにいられませんでした。


レポート:2019年1月(野口)

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スタッフの訪問記【2006年7月】

2006年7月頭に、シャンパーニュ地方は大嵐に見舞われました。雹(ひょう)が降り、シャンパーニュ全体の栽培面積34,000ヘクタールのうち、何と2,400ヘクタールが被害を受けたそうです。けれども、ブリアール家の畑を訪れると、そんな大雨をものともせず、ぶどうの木は元気いっぱいでした。ついでに雑草も元気いっぱい!

雑草がすくすく育っているのは大雨の後に好天が続いたため(あと忙しい日が続いてしばらく畑にいけなかったため…)でもあるのですが、一番の理由は、もちろん、オーガニック農業をしているということ。そして、ブリアール家の畑は、その元気な雑草のお陰で被害を受けずに済みました。

ブリアール家の畑は、オヴィレの最高級畑がある一角、つまり斜面エリアにあります。(ちなみに、シャンパーニュは世界一高いブドウ畑といわれています。マヴィのシャンパーニュは、そのシャンパーニュの中でも高級な畑からやってきたということになります。初めから品質のポテンシャルが高いという訳です)

通常、地面むき出しの畑に大雨が降ると、表面の土が流れ落ちてしまいます。斜面では、その傾向はさらに顕著です。雑草は、そういった被害から畑を守るという役割も果たすのです。実際、綺麗に雑草を排除した近隣の畑では、表土が流れた後が見受けられました。オーガニックとは、本当に上手く出来ています…。

ブリアール家の畑と近隣の畑との差は、本当に愕然とするほど。まるで緑溢れる地球と砂岩に覆われた月面です。土を実際に踏んでみると、ふかふかと感激するほど柔らかい。


(左)近隣の畑。雑草など生えていない、(右) 地面が見えないくらい、様々な植物が生えている

また、果実にも違いが見られました。近隣の畑では、果実はまだ小さいのにすごく実が詰まっているものがありましたが、あまりに小さいうちから詰まりすぎていると、果実が大きくなっていくにつれ潰れ、それが腐敗の原因になってしまいます。特に内側に菌が入ってしまったら、もうそれは確実に腐ってしまうので、それぞれの成長段階相応の詰まり方をしているのが大切です。非オーガニック畑の房や実のほうが大きくなってしまうことには、余分な水を吸う雑草がないので、ぶどうが全て吸収してしまうということが考えられるそうです。

ブリアール家のシャンパーニュの特徴は以下の3つ。

  1. オーガニックであること
  2. 木のタンクで少なくとも1年寝かせた後に、アッサンブラージュ(ぶどう品種、畑、タンク、収穫年などが異なる数種のワインのブレンド)して瓶内二次醗酵をさせること
  3. デゴルジュマン(澱抜き)は、凍らせないで、1本1本手で栓を抜いて行うこと

ちなみに、お父さんのジャンは、このデゴルジュマンの名人です。

デゴルジュマンの瞬間を捉えた映像

あまりの華麗な手さばきに、スタッフが思わず上げた感嘆の声が入っています……。

二次醗酵は、瓶を横に寝かせて行います。ラットと呼ばれている木の板を使って、壁にもたれさせずに積み上げる方法が、シャンパーニュでは一般的です。


ワインの瓶にたまった澱(おり)

澱を瓶の口に集めるために少しずつ瓶を回転させる作業(ルミュアージュ/動瓶)には、機械も使います。機械を使う場合は大きなケースに瓶を何10本も逆さに立てて、ケースごと動かします。ヴァンサンによれば品質に違いはないそうです。機械の利点は夜中でも早朝でも、日曜でもヴァカンスでも関係なく働いてくれること。しかも今の機械はよくできていて、澱の量や細かさなどに応じて、かなり人間の動きに近いプログラムを設定できるそう。ヒト型ロボットが走る時代ですからね!

ルミュアージュは、なぜ簡単にひっくり返して下に沈めないかというと――単純にひっくり返してしまうと、下に沈む澱もあれば、軽くてゆらゆら浮いてしまう澱も出てきてしまい、浮いてしまった澱は絶対に沈まないのだそうです。それがゆっくりと角度を変えつつ回転させれば、軽い澱も全体に引きずられて下に落ちていくというわけ。手間のかかる作業で、大体人の手で回転させる場合、最短でも15日、通常1ヶ月くらいかかります。それが機械だと8~15日くらいで終わります。手で行う場合は、写真のように、1本ずつ手で動かします。

美男美女のマリー=オディールとヴァンサン。奥さまのマリー=オディールは、美容品のメーカーで働いているそうです。毎日ランスまで通っていて、子どもたちの学校がランスにあるので、送り迎えもしているそうです。

2人は日本に来たときの写真やもらった名刺、パンフレット類などをきれいなアルバムに仕上げていました。すごく几帳面な性格が見受けられます。また、その時に「ブリアール」という印鑑も作っていて、日本人がいくと、あちらこちらに「ポン!」と押してくれます。


壁には日本語の挨拶が(Bonjour=konnichiwa[こんにちは]など)


スタッフがプレゼントした漢字も飾っていてくれました!(下手でごめんなさい~)
左:「武利芸術(ブリアール)/真里応出瑠(マリオディル)/万賛(バンサン)」
右:「和飲(ワイン)」


庭からの素敵な眺め


屋外でおもてなし

今回の訪問でも、とても快く迎え…といいますか、大歓迎してくださり、訪問者一行はますますブリアール一家とそのワインが大好きになってしまいました。次回は日本茶におかき、日本尽くしのお土産持参で、彼らの喜ぶ顔を見に行きたいです。

(2006年7月、ヴァンサン ブリアール訪問直後にスタッフが現地から送ってきたメールを加筆・修正)

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スタッフの訪問記【2006年1月】

2006年1月22日、2週間に渡る出張の最中、社長の田村安と商品選定アドバイザーでシャンパーニュ出身のボアソーさんと共にブドウの守り神St. Vincent(サン ヴァンサン)のお祭りに招待されたため、行ってまいりました。

1月のシャンパーニュの感想・・・寒い!!あ、間違えました。いや、でも本当です。出張前、ボアソーさんから聞いていた『シャンパーニュのお祭りに招待されたよ!お祭りの後に食事会があるから、ちょっとした正装ができるようにいい服持ってきてね!』というの事前連絡に気合が入ってしまった私。日本から持参したお出かけ用(←何歳?みたいな感じですが・・・)のパンプスを地方も季節も考えずに履いて第1の会場へ向かいました。繰り返し言っちゃいますが、1月のシャンパーニュは寒い!!です。

会場に着いて早々足先がジンジンしてきて「凍傷になるかも」と本気で思い始めた私の姿を見かねた社長が、靴用カイロを渡してくれました・・・。さすがはヨーロッパ駐在歴10年、世界中を飛び回った経験のある元商社マン、、、準備が違います。

さて、話題はそれましたが、気を取り直してお祭りのご報告です。 サン ヴァンサンのお祭りは毎年持ち回りでリーダーが変わるのだそうですが、この年はなんとブリアール家のヴァンサン(ブドウの守り神と同じ名前!)がリーダーでした。 この日のために、1年かけて準備してきたそうで、会うなり「楽しんでいってね!」とご機嫌のヴァンサン。どこかの国の夏祭りみたい、、、と意外な共通点に心が和みました。

ミサが行なわれる教会まで着飾った人たちが並んでパレードするのですが、この年のスタート地点はリーダーであるヴァンサンの家からでした。

パレードは、花でハデハデに飾られた車の先導ではじまりました。続いて伝統的な民族衣装に身を包んだ女性たちやいろいろな職業のユニフォームに身を包んだ子供たち、樽やワインのボトルを乗せたおみこしなどが列をなし、教会まで行進しました。


今から教会に向けて出発!一番手前がブリアール家の長男、ニコラ。はにかみ屋さんですがよく気がつくいい子です


民族衣装姿のマリ=オディール(ヴァンサンの奥さま)。とってもキュート


おみこし


パレードの先導車。しかし意外にパワーがなく、ついには最後尾をノロノロついていくハメに

地元の教会へ皆が入ったところで、厳かな雰囲気の中、ミサが始まりました。神父様が聖書を読み上げたり、賛美歌を歌ったり、神様へお供えしたブリオッシュ(パン)が入ったパンを皆で分けたりしました。最後にはみんなで偉大なるサン ヴァンサンを讃える歌を歌い、ミサは終了しました。

その後、近くの蔵へ場所を移動し中で喋っていると、あちこちからシャンパーニュを空ける音がしてお待ちかねのアペリティフタイムが始まりました。期待はしていましたが(当然ワイン屋ですから・・・)、想像以上!えー、そんな勢いであけちゃっていいの?っていうぐらいためらいもなく地元の銘酒がポンポン開けられ、なんとサイドテーブルはあっという間にこんな状態になりました!

この写真を撮った直後、ヴァンサンの司会でなにやら式が始まりました。聞けば「シャンパーニュの発展に貢献した人」が表彰されるとのこと。名前が呼ばれた人が一人ずつ壇上へ上がり、皆の見守る中賞状をもらって拍手喝さいを浴びていました。

この表彰式が始まってからヴァンサンの名司会ぶりに見とれつつ、マリ=オディル(ヴァンサンの奥さん)とシャンパーニュを飲んでいると、ヴァンサンがここぞとばかりに声を張り上げました。

「次は、遠く離れた日本の皆様へシャンパーニュを紹介することに力を注いでいる、ムッシュー タムラ ヤスシ!!」

・・・正直、社長より私の方が驚いていました。そして多分、「おー!」とか、「えー!」とかいう奇声も上げたと思います。驚きました。表彰台に上がる社長の姿をポカーンと見ていた私、はっと我に返って激写しければ!!とカメラを取り出したときには時すでに遅し、でした。このページの一番上にある写真は、受賞直後の社長とマリ=オディルです。

式の後、中庭へ出て他の表彰者の方々と撮った記念写真はこちら。


写真中央はヴァンサン、その左が社長の田村

よく見ると、お、おそろい?と思うぐらい服装が似ていました。

そして、トランペット隊が演奏する中、剪定したあとのブドウの枝を利用して作られたタワーに火がつけられ、キャンプファイヤー状態に・・・

この時すでに昼の14時近くになっていて、おなかの減り具合は最高潮に。。。。願いが通じたのか、場所を移動してから、お待ち兼ねの食事の時間になりました。着席スタイルで始まったランチの会、ホールには70-80名の人たちが集まっていました。以下は、当日のメニュー・・・贅沢です。ダイエット中の方、目に毒かもしれません。。。

オヴィレ村・サン・ヴァンサン 特別メニュー:2006年1月22日(日)

  1. 前菜:フォアグラの前菜 ルバーブ(ふきみたいなもの)のコンポート、レーズン入りのブリオッシュ添え
  2. 魚料理:舌平目のソテー、シャンパーニュ風味のムースリーヌソースがけ
  3. 口直し:シャーベットのマールがけ
  4. 肉料理:牛フィレ肉のグリル モリーヌ茸のソースがけ ジャガイモのガレット添え
  5. チーズ:ルブロションのくるみファルシ 松の実入りの軽いサラダ添え
  6. デザート:赤いフルーツのサバイヨン バニラアイスクリーム添え
  7. コーヒーと小菓子

奥野の感想

  • 前菜:フォアグラにブリオッシュにシャンパーニュ!最高に合う組み合わせですが、最高に太る組み合わせでもあります☆キュヴェ エクセロンスを合わせました。
  • 魚:シャンパーニュ地方には、肉や魚にかけるソースをシャンパーニュで風味付けする調理法があります。これがシャンパーニュに合わない訳ない!です☆
  • 肉料理:ヴァンサンのシャンパーニュは力強いのでお肉料理にもバッチリ合います。モリーユ茸の入ったソースがシャンパーニュの複雑さと絡み合って絶妙な余韻を残してくれます。
  • チーズ:クリーミーなウォッシュチーズ、ルブロションにクルミが挟んでありました。木樽熟成からくるシャンパーニュの特徴のナッツ香と優しい口あたりが、香ばしいこの一皿にぴったり!
  • デザート:ベリー類の上からカスタードに似たソースをかけ、オーブンで軽く焼き目を付けたデザート。更にピスタチオの砕いたものがちりばめられていて、酸味・甘み・コクが一度に楽しめる、バランスのよいデザートでした。見た瞬間、あまりのボリュームに『もうだめ、おなかいっぱい』と思いましたが食べてしまいました。デザートだけでも◎でしたが、シャンパーニュとあわせることで、ベリーとワインの酸味がクリームのこってり感を和らげてくれ、余韻にピスタチオとシャンパーニュの香ばしさが残るという、理想的な組み合わせでした。お互いの味わいが一層引き立つ感じ。このメニューの中で一番良い組み合わせだと思いました。

フランス人ならこのメニューを見て「gourmand!!」(グルマン・食いしん坊!!)とニヤリとするでしょう。実際、一緒にいたボアソーさんもそんな感じでニヤっとしていたのを私は見逃しませんでした。この豪華メニューに合わせるワインはもちろんシャンパーニュ!前菜からデザートまでシャンパーニュで通し、特別なランチでした♪

フルコースランチを堪能した後は音楽あり、ダンスあり、で皆さんお祭りを存分に楽しんでいる様子でした。後ろ髪をひかれつつも私たちが会場を後にしたのは18時近くでしたが、このあと参加者によるダンスパーティーに突入し、朝まで楽しんだ人もいる、と後で聞きました(タフすぎです!)

ワインの輸入会社に入って、自分がまさかシャンパーニュの方々が大切に守ってきたワインのお祭りに参加できるとは思ってもいなかったので、現地の人たちの一大イヴェントを一緒に体験できて、本当に良い思い出になりました。


レポート:2006年1月(奥野)

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スタッフの訪問記~収穫に思う【2002年9月】

9月末のパリからボアソー教授と待ち合わせのエペルネーに向かう電車に乗った。その日は、その時期のパリらしくすっかり寒くて、タートルセーターにジャケット、マフラーまで巻くいでたちである。天気は決していいとは言えなかった。

シャンパーニュへ行く途中の道路標識

東駅から出発。進んでいくほどに、天気はますます悪くなってきた。実は数日前まで、南仏エクサンプロヴァンス近郊、さらにモンペリエにいた私は「これだから、北はね…」と太陽が見えないのを嘆く(現にモンペリエではまだ泳ぐことさえできた!)。ところが、全行程1時間半の最後の20分くらいだっただろうか、山を1つ抜けたのか、すっきりとした晴れ間が広がってきたのだ。そうか、やっぱりぶどうを作るところだもの、ここはしっかりと天気がいいのね、と一人納得していた。ところが実際は違って、シャンパーニュ地方に生まれ、その地方を非常によく知っているボアソー教授いわく、 その日はここ何年来でこんなにいい天気はない、という日にあたったらしいのである。そういえば、畑で出会った人みんなが本当に嬉しそうに、「すごくいい天気でしょう。あなたは運がいいわ。」と口を揃えて言ってくれたものだ。晴れ女の本領発揮である。

ピーカンに晴れた畑

早速ボアソー教授が、目的地はオヴィレにあるシャンパーニュ ヴァンサン ブリアールに連れて行ってくれた。事前に目的を話していたので、まずは写真が撮りたいというと早速奥さんがボトルとグラスを抱えてきて、注いでくれた。

ブリアールご夫妻

黄金のような美しい色。口に含むと辛口なのにどこかほんのり甘さを感じさせるような優しさがある。ワインを造っていると言うよりは、むしろ学校の先生という方がふさわしいような風貌のマリー=オディールとヴァンサン夫妻。大きな樽の前でグラスを掲げて記念撮影。

今年は、フランス南部を中心として夏の後半雨が続き、ワイン関係者には冷や冷やさせられるところだったが、ここシャンパーニュは非常にいいお天気だったようだ。 ヴァンサンも喜びが隠せないようで、ここ数日の収穫のデータを見せてくれた。話によれば、糖度が高すぎるくらいというのだ。確かに11度の後半から12度を超えている日もある。ボアソー教授もすごいね、と言っていた。糖度が高いのは、いいワインができる証ともいうべきもの、どうして高すぎて困るのか?と尋ねてみた。すると、シャンパーニュと呼ぶためには決まった範囲の糖度でなくてはならないとの答えが。 低すぎてもだめだけれど、高すぎてもまたシャンパーニュと認められないというのだ。今年の収穫は、嬉しい悲鳴というところか。

食事風景

ちょうどお昼時にお邪魔した私たちは、収穫のために集まっている皆さんの食事に一緒に入れてもらうことになった。 その日のメニューはクリュディテ(にんじん、セロリ、ビーツなどを千切りにして食べるサラダ)、クスクス、チーズ、デザートにアイスクリーム、コーヒーのあとは食後酒まで登場した。 ここの農家は、今でもこうして収穫の時期には、宿泊はもちろんのこと、きちんと家で食事を準備して(しかもこんなフルコースで!)、収穫者たちの労をねぎらう。 今では、こんなによくしてくれるところは珍しいのだそうだ。現に、なんとここで収穫するのはこれで31年目というベルギー人や、20年は来ているというブルターニュ地方のオーガニックアイスクリーム製造者もいた。(デザートのアイスは彼のものだった。とてもリッチでおいしいラムレーズンだった) 食堂は準備されていてもケータリングしたものが出されたり、ひどいところになると、昼は各自がサンドイッチか何か準備して畑で食べるのだそうだ。 畑の近くに止まっている観光バスを何台か見かけて、さすがシャンパーニュ地方だからこうして観光バスが来るのだなと思いきや、それはこの時期だけ収穫にやってくる人を乗せるバスで、近郊の安いホテルにまとめて宿泊しているらしい。そんな現代事情も垣間見ることとなった。

食事のお供は先ほど開けてもらったシャンパーニュ。あんな贅沢なことをしたのだ、と今になってみて思うが、昼間から、ボアソー教授とすいすい1本空けてしまった。ぜひ味見をと言われ、自家製の食後酒にまで手を出す始末。

ぶどう圧搾機

食事が済むと、収穫したぶどうを搾っている場所に連れて行ってもらう。非常に大きな昔ながらの仕組みで、今は重さをかける部分は機械になってはいるが、かなりの古さだ。

絞りたてのぶどうジュース

そして、横の溝からぶどうのジュースがどんどん流れている。ここでも味見を、と機械のすぐ横の地面のふたを開けると、その下にどんどんジュースがたまっていっており、そこから直接コップに受けて渡してくれた。香りがいい。そして私はこんなにおいしいものをいまだかつて飲んだことがなかった。とにかく甘い。でもそれは当然ながらぶどうだけの甘味だからちっとも嫌な甘さはないが、ネクターのような濃さがある。ワインよりもこれを飲んで暮らしたいと思うほどである。後味はかすかに桃のような感じがした。人によっては、これを飲むとお腹がゆるくなることもあるらしい。私は幸い何ともなく、本当においしい思い出になったけれど。

白いエプロンの方がお父さんのジャン

圧搾を担当していたのは、ヴァンサンのお父さんともう1人助手の方。当時、誰もが化学農業でぶどうを作っていたときもずっとオーガニックを通したお父さんは、近所でも相当変わり者呼ばわりされ、圧力もあったらしい。今でこそ、ちょうどその日の朝はテレビの取材が入ったほど、オーガニックがもてはやされ、彼らのやり方も理解されるようになってきたが、当時は大変な思いでやっていたようだ。その信念を貫いてくれたからこそ、こんなにもおいしいぶどうができ、さらにすばらしいシャンパーニュが造られるのだと実感する。

そして、いよいよ畑へ。近隣の畑と比較して、まず一目瞭然なのが畑を覆っている緑の草たちだ。

近隣の畑 ヴァンサンの畑
(左)近隣の畑、(右)ヴァンサンの畑

よその畑はぶどうとぶどうの間は見事なまでに、土しかない。ヴァンサンの畑は、生命活動がしっかり行なわれていることが証明されている。先ほどもりもり食べていた皆さんは、今はばりばり働いている。ハサミをもって、ぶどうを切ってかごに入れる人、かごがたまってくると下のケースに入れに来る人、それを選別する人、と食事時のいい雰囲気そのままの様子で仕事に励んでいる。ボアソー教授も本当にいいチームだ、と感心していた。造り手の人柄がいいから、こんな風にいい人が集まってくるのだろう。そしてこんないい雰囲気の中で摘まれるから、ぶどうもますます美味しくなるのだろう。決して大げさではなく、そう感じた。

ヴァンサン ブリアールで働く皆さん ヴァンサン ブリアールで働く皆さん ヴァンサン ブリアールで働く皆さん ヴァンサン ブリアールで働く皆さん
バリバリ働く皆さん

そして、どこまで行っても味見である。今度は摘んだばかりのピノ ノワールをどうぞ、と差し出された。一体、誰が言ったのだろう。ワイン用のぶどうはまずいなんて。私はその言葉を信じていたから、どんな味がするのかとちょっと不安に思いながら口に入れた。これまた、恐らく私がこれまで食べたぶどうの中で一番と言えるほど、美味しかった。生涯忘れられないと言えるほどの味である。なんとも言えない甘味とかすかな酸味。小さな房だったとはいえ、食べてしまうのに全く時間はかからなかった。

こんな風に、シャンパーニュ ヴァンサン ブリアールの訪問は瞬く間に過ぎていった。その日照っていた太陽のように暖かな皆の顔が印象的だった。そして、その暖かさは、彼らが造るシャンパーニュにもそのまま見事に現れている。人の手によってなった飲み物であることが明白である。信じられなければ、市場に出回っているシャンパーニュと比べてみるのが一番だ。この違いがわからない人がいるとはとても思えない。


レポート:2002年9月(長谷川)


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