シャンパーニュ ワイン
シャンパーニュのオーガニックワイン
Champagne
フランス・パリよりやや北に位置するシャンパーニュ地方。気温が低く、ワイン造りに最適とはいえない地域でしたが、17世紀後半~末にかけてオヴィレ村のベネディクト会修道士ドンペリニョンが「シャンパーニュ製法」を発明。高級スパークリングワインの産地として一躍有名になりました。
シャンパーニュのワイン生産者
ブリアール家
ヴァンサン ブリアール - Vincent Bliard
「シャンパーニュのゆりかご」と呼ばれるオヴィレ村で代々続くぶどう農家。斜面の一等地に畑をもつブリアール家は1970年にオーガニック転換したパイオニア。隣の畑と比べると「月」と「緑あふれる地球」くらいブドウ畑の差が歴然。
ミシェル家
シャンパーニュ ブリュノ ミシェル - Champagne Bruno MICHEL
1988年にワイナリーを取得後、当時オーガニック農家が6軒以下だったシャンパーニュ地方で90年代にいちはやくオーガニックでのシャンパーニュ造りを開始。家族経営のRM(レコルタン マニピュラン)で堆肥づくりから自分たちで行っている。
商品一覧:シャンパーニュ ワイン
シャンパーニュ ワイン特集
シャンパーニュワインについて
シャンパーニュ地方はパリよりやや北に位置しています。そのため年間の平均気温は10.4℃と低く、9.6℃以下では熟さないぶどうにとって実はあまり適しているとはいえません。
昔は年によってはぶどうが熟さず、ワインにならないことも頻繁にありました。なぜなら、ぶどうが完熟していないとアルコール発酵に必要な糖分がぶどうから得られないからです。
それを打開するために考えられたのが、糖分を添加する方法です。添加する糖分により、アルコール度を一定まで高め、保存性を上げました。また、香りや味の不足は、リキュール添加により補うことが出来ます。
そこから生まれたのが今日のシャンパーニュ製法です。まさに、気候条件の悪さを逆手に取り、美味しいスパークリングワインを生み出すことが出来たといえるでしょう。
このように、安定した品質が保証されたのは、ワインという気候に左右される商品としては画期的なことだったのです。
シャンパーニュの華やかな歴史
ドンペリニョン
17世紀後半から末にかけてオヴィレ村のベネディクト会修道士ドンペリニョンが加糖し、瓶内で泡を発生させ溜める「シャンパーニュ製法」によるスパークリングワインが誕生してから、その華やかなワインは18世紀になり王侯貴族の間で急激に広まっていきました。
20世紀後半にもなると、フランス料理の大衆化の歴史と共に、贅沢品のシャンパーニュがたくさんの人から愛される食前酒となっていったのです。
・17世紀末、オヴィレ村ベネディクト会修道士ドンペリニョンによりシャンパーニュ製法のワインが生まれる
・18世紀にフランス宮廷などで評判になる(当時は甘口が主流)
・18世紀半ばフランス革命により、貴族お抱えの料理人が市民相手の料理屋を始める
・19世紀にブルジョアに広がる
・20世紀後半に大衆に広がる
シャンパーニュの基礎知識
シャンパーニュ
「シャンパーニュ=スパークリングワイン」と思っている人も多数いるほど、有名でブランドイメージがあるシャンパーニュ。ですが、すべてのスパークリングワインが「シャンパーニュ」と呼べるわけではありません。
「シャンパーニュ」は、AOCによって厳格に定められたワインの呼称です。フランスのシャンパーニュ地方で、なおかつ定められた製法で造られたスパークリングワインのみが名乗ることができます。ちなみに「シャンパン」は英語での表記、「シャンパーニュ」はフランス語での表記になります。
畑の面積はおよそ約3万4千ヘクタール、フランス全体では減少傾向にあるぶどう畑ですが、シャンパーニュでは伸びており、このワインの世界的な人気がうかがえます。
ぶどう品種
シャンパーニュで栽培されているぶどうは主に以下の3種類です。収穫は全て手で行われます。
- ピノ ムニエ:赤ぶどうで、フルーティなアロマに影響
- ピノ ノワール:赤ぶどうで、ワインの力強さやボディに影響
- シャルドネ:白ぶどうで、上品さと繊細さをもたらす
シャンパーニュ製法の特長
シャンパーニュには製造過程において次のような特徴があります。
- 二次醗酵を促すための加糖、酵母添加、味の調整となる「門出のリキュール(※1)」を加えている
- 通常、数年分のワインをブレンドして造られる (単一年の「ミレジム」、「ヴィンテージ」は、よほどの良年でなければつくられない)
- シャンパーニュ ロゼは、フランスのロゼの中で唯一白ワインと赤ワインのブレンドによる製造が可能(※2)
※1…長期熟成後、瓶口部に出る澱は栓を抜いて取り除きます。門出のリキュールはこの失われた液を補充するためにぶどうを煮詰めたものになります。
※2…通常、ロゼワインは赤ワインの製造過程で、赤ワインよりも色や渋みを抽出する時間を短くすることによって造られます。
シャンパーニュの業態
シャンパーニュは主に3つの業態によって製造されています。シャンパーニュのラベルをよく見ると、「NM」「CM」「RM」と略語が記載されています。
- ネゴシアン マニピュラン(NM:Négociant Manipulant)
…シャンパーニュメーカーで、一部または全部を自社畑以外から購入して製造。シャンパーニュ生産者のほとんどがこの業態。 - コーペラティヴ ド マニピュラン(CM:Cooperative de Manipulant)
…生産者共同組合での製造販売。 - レコルタン マニピュラン(RM:Recoltant Manipulant)
…ぶどうの栽培からワインの醸造、瓶詰めまでを一貫して行う小規模生産者のことで、少数ながら、全ての行程を行うため、生産者のこだわりが丁寧な仕事によって反映されすく、最近は注目を集めています。マヴィの生産者ブリアール家もこちらのレコルタンマニピュランです。
シャンパーニュワインの生産者紹介
ヴァンサン ブリアール(ブリアール家)/フランス シャンパーニュ
マヴィのシャンパーニュ生産者ブリアール家は、「シャンパーニュのゆりかご」とも呼ばれるオヴィレ村にあります。
ドンペリニョンがシャンパーニュを生み出した修道院があるオヴィレ村は、シャンパーニュの中でも重要とされる3つの地区のうちの1つ、ヴァレ ド ラ マルヌに位置しています。その修道院からマルヌ川に向かう南面斜面の一等地にブリアールさんの畑があります。ブリアール家がその畑を取得したのは、フランス革命の真っ最中。混乱に生じて最高の畑を手に入れました。おそらくドンペリニョンがこの畑のぶどうを使ってシャンパーニュを開発したことでしょう。
家族経営の小さなワイン農家ですが、その質の高さはパリからわざわざ買い付けや見学にたくさんの人が訪れるほどです。
- 土地…シャンパーニュのゆりかごとも呼ばれるオヴィレ村、日当たりの良い斜面の一等地に畑を持っています。1970年からオーガニック農業を始めたいわばオーガニックシャンパーニュのパイオニア的存在。写真からもわかるように、9月のブリアール家の畑は雑草が生い茂り、まるで天国のような光景です。
- 収穫…規程の通り、もちろん全量手摘みです。収穫の時期になると、何人もの収穫人が泊り込みで行います。環境が良いので何年も収穫に参加しているメンバーも多いそう。
- 醸造…シャンパーニュの特徴的な水平型圧搾機。雑味や黒ぶどうの色素が出ないように静かに搾ります。(2007年に新品を導入しました)もちろん加える糖分や、門出のリキュール(シャンパーニュの澱引きをした際に減る量を補填するもの)もすべてオーガニックです。醸造設備が極めて小さいため、自家で使用するぶどうは最も良いぶどうのみ、残りは大手メーカーへ出荷します。まさに選りすぐりのぶどうしか使用していません。
- 熟成…ブリアール家では最低でも3年間以上熟成させます。これはシャンパーニュの規定の15ヶ月をはるかに超える期間で、ブリアールさんのこだわりが感じられることのひとつ。シャンパーニュに最適な地下ワイン庫において、最高級の樫樽で熟成させています。
- 瓶詰め、打栓…シャンパーニュは瓶詰めしたあと、瓶の口を下にして保管します。これはワインの中にある沈殿物(澱)を口に集めて取り除くために必要な行程です。最後に行われるこの澱抜きの作業は「デゴルジュマン」と呼ばれ、当主のブリアールさんのお父さんはデゴルジュマンの達人。
※左から…2015年9月訪問時の畑、昔ながらの圧搾機、ルミアージュ
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シャンパーニュ ブリュノ ミシェル(ミシェル家)/フランス シャンパーニュ
ミシェル家の当主ブリュノさんは元々接ぎ木職人をしていました。年間40万本の接ぎ木を作って売っていた農業が大好きなブリュノさんは、1987年にぶどう畑を購入、翌88年には現在のワイナリーも購入しました。奥様のカトリーヌさんと共にワイン造りをしていたブリュノさんは、まだオーガニックが一般的でなかった90年代にオーガニック農業への転換を決意しました。当時のシャンパーニュにおけるオーガニックワイン農家は、認証をとっていないところを含めても10軒に満たず、ブリュノさんもブリアール家と同様にオーガニックシャンパーニュのパイオニア的存在です。(もちろんブリアールさんのこともよくご存知でしたよ!)
- 土地…ミシェル家の畑は、エペルネの南丘陵に位置しています。気候は大西洋性・大陸性の両面の特徴を持っています。降水量が多く、平均気温もフランスの他の地方よりも低いため、本来はワイン用のぶどうには向かない気候でした。(シャンパーニュ特集) 日当たりのいい丘陵地にある畑の土壌は、主に粘土質と石灰質です。
- 栽培…コート ド ブラン地区にある12haのぶどう畑ではピノムニエを50%、シャルドネを50%栽培しており、ピノノワールはごくわずかしか育てていません。質の高いぶどうを作る目的でシャンパーニュ地方では珍しく手作りのコンポスト(肥料)を使っています。収穫はもちろん全量手摘みです。
- 醸造…傾斜に立てられた醸造所は縦に長く、醸造過程で果汁が上から下の設備へ移っていくよう効率よい配置で置かれています。ぶどうの果汁を扱うときは、従来のピストン式ではなく、果汁への負担が少なくゆっくり液を引き上げることができるロータリー式を取り入れています。
- 熟成…ミシェル家のカーヴは、18世紀に建てられた修道院のもので、地下に続く階段を降りると500メートルほどの広い空間に続いていきます。シャンパーニュはこのカーヴで最低でも4年以上熟成させます。
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シャンパーニュの食事
アペリティフのテーブル
一般的にはアペリティフ(食前酒)やアミューズ(前菜)と楽しまれることが多いシャンパーニュ。
やはり基本は食前に軽いおつまみを添えて楽しむのがおすすめです。温度はあまり高くないヴェリーヌなどがよいでしょう。一度試してみたいのは「シャンパンディナー」元は軽めのものから徐々に濃くのあるものにしていき、コースのお料理全てにシャンパーニュを合わせる贅沢なひとときです。いちごやくり抜いたメロンなど果物と一緒に召し上がっていただくのもおすすめです。
また、シャンパーニュ地方の名物に「ビスキュイ・ド・ランス」というピンク色の焼き菓子があります。メレンゲを焼いたような食感のお菓子で、シャンパーニュに浸していただくのが定番。伝統菓子までシャンパーニュとはきってもきりはなせないのですね。
左から…贅沢なひととき、いちごと伝統菓子「ビスキュイ・ド・ランス」
シャンパーニュと楽しむレシピ
シャンパーニュ一覧
おすすめ人気シャンパン
ブリアール家の定番シャンパン
・商品番号:36001
・生産者:ブリアール家
(フランス・シャンパーニュ)
通常のシャンパーニュの倍以上の熟成をさせた逸品。香り味わいともに複雑で芳醇なシャンパーニュ。
- 合う料理:アペリティフに最適。カクテル(カシスリキュールを割ってキールロワイヤルなど)、チーズ味のシュー、白カビチーズ、てんぷら、フォアグラのパテ、スモークサーモン、鶏やホタテのシャンパーニュソース、鮎・はも・秋刀魚、果物、果物のソルベなど
- 通常価格:11,330円 (税込)
- 会員価格:10,423円 (税込)
ミシェル家の定番シャンパン
・商品番号:65001
・生産者:ミシェル家
(フランス・シャンパーニュ)
マルメロやリンゴ、トーストの香りが心地よい爽やかなシャンパーニュ。
- 合う料理:乾杯におすすめ、カナッペなどの軽めの前菜
- 通常価格:10,890円 (税込)
- 会員価格:10,018円 (税込)
ヴァンサン ブリアール(ブリアール家)/フランス シャンパーニュ
シャンパーニュ市の北部に9.6haのぶどう畑を持ち、栽培から蒸留までを手がけるシャンパーニュ、シャンパーニュ地方では珍しい赤ワイン&白ワインを造る。彼らのオーガニックワインと和食の相性は最高。
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シャンパーニュ ブリュノ ミシェル(ミシェル家)/フランス シャンパーニュ
1988年にワイナリーを取得後、当時オーガニック農家が6軒以下だったシャンパーニュ地方で90年代にいちはやくオーガニックでのシャンパーニュ造りを開始。家族経営のRM(レコルタン マニピュラン)で堆肥づくりから自分たちで行っている。
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