コティーノ家
コティーノ家のプロフィール
スペイン・バレンシア
アランレオン
Aranleón
モンテサンコ
Montesanco
2003年から
バレンシアの名門一族コティーノ家のパコとマリアの夫婦が、1927年から続くワイナリーを買い取り、2003年からオーガニックワイン造りをスタート。テロワールを活かして一切妥協しない、すべてが本気のワイン生産者です。
コティーノ家の詳しい情報
【オーガニック歴】認証は2003年より
バレンシアの名門一族コティーノ家のパコとマリアの夫婦が、1927年から続くワイナリーを買い取り、2003年からオーガニックワイン造りをスタート。テロワールを活かして一切妥協しない、すべてが本気のワイン生産者です。
バレンシア内陸のウティエルレケーナのワイン農場
バレンシアから北西へ車で1時間ほどの高原地帯にある小さな村ロスマルコス。その村はずれに、コティーノ家がワインを造る「アランレオン」の醸造所があります。
コティーノ家では奥様のマリア サンチョさんがワイン造りの中心です。マリアはバレンシアの大学で農業を学び、ワイン造りの道に進むことを決心しました。
アランレオンの醸造所
ぶどう畑が広がる地帯で、大半は収穫したぶどうを大手メーカーに納めるだけの農家ばかりでしたが、この村唯一の自家醸造を行うワイン農場を、2000年にコティーノさんが購入しました。
コティーノ家では2つの農場を持っており、ひとつはここアランレオン、もうひとつはアランレオンから車で20分ほど離れたところにある「モンテサンコ」です
モンテサンコの畑
2つの醸造所があるウティエル・レケーナという地域は標高700mの高原で、寒暖差が激しい内陸性の乾燥した気候のため、ぶどう栽培にとてもよく向いている土地です。
建設業も営むコティーノさんは、元々の醸造所の建物の原型を生かしながらも、よりワイン造りに適した環境を作り上げました。
全てのラベルに点字を採用したり、清澄に使用するたんぱく質も植物由来のみにしたりと、より幅広い人たちがワインを楽しめるように尽力しています。
自然公園を臨むぶどう畑
アランレオンのぶどう畑から望むのはクエンカ山脈の国立公園で、ここは国際機関のUICNによって自然保護地区に認定された美しく自然豊かな場所です。
標高約700mにあるぶどう畑は日当たりもよく、夏場は日中30-35℃にもなりますが、夜は15℃まで下がるため、ぶどうにとって好ましい温度差が生まれます。
海から離れた内陸性気候でとても乾燥し、凝縮したぶどうが作られます。
アランレオンからの風景
土壌は粘土石灰質。
この土地の主な品種は赤はボバル、テンプラニーニョで、白はマカベオ・ブランです。
ベト病対策のためのボルドー液は使わず、必要なときにわずかな硫黄のみを使用しています。
モンテサンコは標高約800mとアランレオンよりも100m標高が高く、さらに乾燥した痩せた土壌で、生産量は落ちますが、より凝縮したぶどうを産み出します。
また2017年からビオディナミ農法を採用して、畑の生態系環境がさらによくなってきたので、ゆくゆくは硫黄なども使わずにぶどうを栽培するのが目標とのこと。
モンテサンコの丘
収獲はぶどうの成熟具合を見ながら8月下旬から10月にかけて全て手摘みで行い、とくにボバルはよく熟したものを使うために一番収穫を遅らせます。
アランレオン~今と昔が交差する洗練された醸造所
アランレオンの前身にあたるワイン農場は1927年に設立され、周囲の農家が大手メーカーに卸すためのぶどうを造る中、村で唯一自家ぶどうでのワイン造りをしていた場所でした。
マリアと建設業も営む夫のパコ
マリアさんたちはまず昔のタンクを改装しました。外観などはそのままですが、内部のタイルをはがし汚れがたまってしまう隙間をなくしました。
きれいに改装された昔の醸造所
タンクの一部はトンネルになっており、ここをくぐると地下にある新しい醸造所に行くことができます。
マリアさんたちたちは昔の醸造所と新しい醸造所をつなぐこの場所を「タイムトンネル」と呼び、醸造所の象徴のひとつになっています。
タンクの1つが通路になっている
トンネルの先には新しい醸造所へ続く階段が
収獲したぶどうは破砕しながら1つめのセメントタンクに投入され、発酵が進むと地下にある樽やステンレスタンクへ移して、ブレンドや熟成を行います。
これは「グラビティフロー」という、醸造の過程で重力に従って上から下に果汁やワインを動かすことができる仕組みです。
ポンプなどの動力も最低限で済むため、ワインにも環境にも負担が少ないのが特徴です。
重力にしたがってワインの醸造をすすめるグラビティフロー
1.収穫したぶどうを外にある破砕機へ(醸造所の2階部分にあたる)
2.破砕されたぶどうがタンクの上部から投入される
3.タンクで浸漬・発酵させたワインをポンプで地下へ送る
4.地下のステンレスタンクでの発酵や樽熟成、ブレンドを行う
5.瓶詰やラベル貼りを行い地下の低い気温でワインを保管
また清澄に使うたんぱく質は植物由来のもので、ラベルにはヴィーガンのマークも入っています。
モンテサンコ~1752年のワイン農場の面影を残す、元廃墟から生まれる極上のワイン
アランレオンの醸造所から車で20分ほど離れたところに、もう一つの特別な醸造所「モンテサンコ」があります。
モンテサンコ
崩れかけ、廃墟同然になっていた建物を3年がかりで改装し、2016年に醸造所を完成させました。
建物は1882年に建てられたこの地域の領主の館で、この場所では少なくとも1752年にはワインを造っていたという記録が残っていたそうです。
かつての建物
モンテサンコの醸造所の前に広がる畑は標高約800m。赤茶色の土にはフェンネルやカモミール、ノアザミが自生し、蝶などの虫も飛んでいます。
自生するハーブ
畑の丘の上に植えられているのは、樹齢120年を超えるボバルとマカベオです。
生産性は極めて低く、1本の木から800gのぶどうしか取ることができませんが、マリアさんたちは「自分たちにとってはレガシーであり、宝物のような存在」と大切にしています。
樹齢100年以上の古樹
醸造所へ入るとここもグラビティフローになっており、吹き抜けの下にステンレスタンクが並んでいます。
マリアさんたちたちはとにかく発酵の際の温度管理を徹底し、どのタンクの状態も一目でわかるようになっています。
グラビティフロー
ワインを貯蔵するカーヴは、昔使われていたワインの醸造タンクをそのまま利用しています。なんと改装中に地下の壁が崩れ偶然発見されたものだそう。
美しい地下のカーヴ
タンクの上部にはバレンシア名産のセラミックが並んでいます。手描きの、それも当時のタイルは今では非常に高価なもの。まるでアンティークの宝石が敷き詰められているかのような美しさです。
敷き詰められた手描きのセラミックタイル
このモンテサンコで主に造られているのが、醸造所の最上級ワインとなる「モン シリーズ」です。
モン シリーズはぶどうの出来が良い年にしか造らず、2018年は納得がいかなかったためぶどうは格下げしてモンの赤は造らなったというこだわりぶりです。
一口で違いがわかる珠玉のワイン
コティーノ家が手掛ける中でも最上級のワイン。赤白とも濃厚で芳醇な味わいが特徴。
ぶどうの出来が良い年にしか造らず、2016年の「モン 赤」の生産量は4879本でシリアルナンバーが入るほど貴重です。
最高級の モン シリーズ
モン 赤
ぶどうは10月の第二週に収穫。本来であれば甘口のワインを造るようなヴァンタンジュタルディブ(遅摘み)のぶどうを使います。
そうすることによって甘口ではありませんが、残糖分の高さを感じるとろみと奥行きのある味わいが生まれます。
フランスの新樽で12か月発酵し、瓶内で1年間熟成させます。
2016年から造り始めたシリーズなので瓶詰後の熟成についてはマリアさんたちたちも手探りですが、3~5年、おそらくそれ以上は持つだろうと考えています。
できれば飲む2日前に抜栓しておくのがおすすめです。ミートシチューや、ラマンチャの郷土料理「ガスパチョ マンチェゴ」などの煮込み料理、また、濃厚なチョコレートケーキにも合います。
2016年の生産量は4879本で、ナンバリング済。
ぶどう品種:ボバル100%
モン 赤 商品詳細へ
近くのレストランでいただいた郷土料理「ガスパチョ マンチェゴ」
モン 白
朝の5時から収穫し9時には全てのぶどうが醸造所に入るようにして、熱によるぶどうの劣化を防ぎます。
500Lのフランス産の大樽に入れて発酵させ、その後はシュールリー(沈んだ澱にワインを触れさせながら熟成)を行います。
白ですがボリュームがあるので、新鮮な魚介の盛り合わせやエビのプランチャといったシンプルな料理には向きません。シーバスなどの脂がのった魚のグリルや、ブイヤベースのような地元の料理「カルデ レ タ デ ペスカトーレ」、カルドソ、アーティチョークなどの野菜の炊き合わせ、肉と野菜を白ワインで煮たエストファーダ、チキンのハーブグリル、そしてもちろんバレンシア名物のチキンのパエリアなどによく合います。
ぶどう品種:マカベオ100%
モン 白 商品詳細へ
バカリャウのソテー
日本の皆さまへメッセージ
「私たちの地域は、スペインの中で長い歴史を持ちながらも未だ知られていないスペインのワイン産地です。昔ながらの地場品種を使い、丁寧に造られた私たちのオーガニックワインの魅力を発見し、楽しんでください!」
樹齢125年のボバルと