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ゴダン家

残念ながらゴダンご夫妻がご高齢になり、ワイン造りを引退することになりました。今後の入荷はございませんのでゴダンさんのワインは現在の在庫がなくなり次第、終売となります。

ゴダン家のプロフィール

フランス・南西

シャトー ヴァン ドタン

Chateau Vent d’Autan

1991年からビオディナミ農法


フォアグラの産地で知られ「黒ワイン」と呼ばれるほど凝縮感のある赤ワインを産出する南西地方・カオールで1987年にぶどう栽培を始め、1991年オーガニック認証取得。以降デメター認証も。夫婦二人三脚のワイン造り。


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ゴダン家の詳しい情報

ゴダン家

【オーガニック歴】1991年からビオディナミ農法

フォアグラの産地で知られ「黒ワイン」と呼ばれるほど凝縮感のある赤ワインを産出する南西地方・カオールで1987年にぶどう栽培を始め、1991年オーガニック認証取得。以降デメター認証も。夫婦二人三脚のワイン造り。



Iターンで始めた環境にやさしいオーガニック農業

キッシュとワイン トリュフづくし 地元のチーズ

抗酸化作用のあるポリフェノールが多く、その濃密な色から赤ワインなのに黒ワインと呼ばれるフランス南西地方の「カオール」。

ポリフェノールは、バターやチーズ、お肉をたくさん食べるのに心臓病などが少ないという「フレンチ パラドックス」という説で、いちやく有名になった成分です。アンチエイジングに効果あり、などと日本でも知名度が上がってきています。

色の黒さに負けない濃厚さ、重さが魅力で、ステーキなどの重めのお肉料理に合わせるなら真っ先に名前が上がるワインです。

その造り手であるゴダンさんとは、2007年のミレジムビオ(フランスで毎年開催されるオーガニックワインの展示会)で出会いました。ワインは美味しいし、ワインからオーガニックの化粧品も造っているとのこと。面白そう!と早速訪問しました。

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農家としての歴史

ご夫婦は、もともと都会に住んでいたIターン組。のんびりした農家さんというよりは、きびきびした活動家、といった印象を受けます。奥さまのアンさんは、1995年から村会議員を務めている(2007年4月現在)と伺っても、ふんふん納得してしまいました。キャリアウーマンという感じ。

ゴダンさんたちは、1987年、退職を機に、たったの1haの畑にぶどうを植えることから、ワイン造りを開始しました。
理論を勉強してぶどう栽培とワイン醸造の免許(BPA)を取得したり、近所の親切なワイン農家さんからは実践的なこと、例えば樹の剪定や手入れ、醸造などを学んだりしたそうです。しかし、慣行農業の農薬使用が受け入れられず、自然な方法で自分たちのぶどうを育てようと決意しました。

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ビオディナミ

1991年に、ビオディナミ農法アドバイザーのフランソワ ブッシェ氏に出会い、「孫たちや仲間たち(黒人、白人、黄色人種、そしてエコロジスト)がずっと蝶を見ることが出来るように」ビオディナミ農法に転換しました。ビオディナミ農業組合(SABD)に加入して、定期的にデメター認証を受けています。

ビオディナミ看板 プレパラシオン エコカーヴ
[写真左]ビオディナミ農法の看板。[中]プレパラシオン(ビオディナミ農法独特の土壌栄養剤)を作る桶。[右]化学処理をしていない麻やレンガなどの自然素材で建てられた環境に優しいカーヴ。自然な換気が出来る構造のため、電気冷房いらず。

1ha から始めた畑も、今では5.5haになろうとしており、胡桃や牧草地*を含めると、所有地は20haになります。基本的には夫婦2人(季節によっては3 人)とまだまだ小規模ではありますが、収穫時には(収穫は人の手で行うので)12人も集まるようになりました!毎年、パーティのように、皆で賑やかに楽しく働いているそうです。

* ビオディナミ農法では肥料は全て自分で作らなくてはならず、家畜の協力で堆肥を作るのが普通です。

このように農場も順調に大きくなり、だんだんと環境も整えられてきて、ワイン造りに夢中だそうです。「全て行政の規則に従わなければいけないのは気に入らないけど」←ここら辺がやはりポリティカルですね~。

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シャトー

とんがり屋根

シャトー ヴァン ドタンがあるロット県は素晴らしい地方と呼ばれていて、美しい景色と伝統を守る人々が住んでいます。昔ながらの石の混じった土壌で造られた家や城、鳩小屋などもあり、街を歩けば所々に中世の名残を見ることができます。ゴダンさんのお宅も、伝統的な白っぽい石造りに、かわいらしいトンガリ屋根。

畑は木々に囲まれていて環境もよく、周囲に住む人々は偏見が少なく、愛想もよく、とても住みやすいそうです。

名産品は、くるみ、メロン、サフラン、フォアグラ。そしてもちろん、カオールやコトー デュ ケルシーなどのワイン。

ワインのラベルに使われている、ポップで素敵な絵も、地元のアーティストさんたちが書いたものだそうです。

賑やかなボトル

この辺りの気候は温暖で乾燥しており、夏の終わりから秋にかけてはシャトー名になっているヴァン ドタン(Vent d’Autan:南仏の激しい南風)が吹く時期がありますが、ゴダンさんのところでは強く吹きすぎることはなく、むしろぶどうを乾燥してくれるので喜んでいるくらい。ぶどうにとって湿気は病気を促す天敵なのです。

冬の畑
冬でも緑にあふれ、美しいぶどう畑。

さらに、ゴダンさんには秘密兵器が!ご主人のオリヴィエさんが力を入れている、オーガニックコスメシリーズ、ヴィノ-キュール!

化粧品棚

ワインと同じオーガニックぶどうの成分を贅沢に使っています。アンチエイジングにも効くらしいです。いつか日本にやってくる日が来るかもしれません。

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生産者訪問記【2007年8月】

2007年8月ももう終わりに差し掛かった頃。私はボアソーさんの運転する車に乗って、カオールの近く、ゴダン夫妻が暮らすサン マートルという村に到着した。カーナビにも出てこなかった小さな小さな村。近くにはあちらこちらに、見ているだけで心地よくなってくるような樫の木の森が目に入る。このあたりはトリュフでも有名なところ。この樫の木の根元にトリュフが生えてくるのだそう。

ゴダン家に到着してまず真っ先に目に入るのは、何よりも醸造所の建物だろう。

醸造所 醸造所
醸造所外観と内部

何ともユニークな屋根の形。ビオディナミ農法を採用し、エコロジーな考えを徹底的に採用しているゴダンさんご夫妻。この建物も形はもちろんのこと、建材、断熱材などにもさまざまな工夫がなされている。例えば壁に使われているのはヘンプ(麻の一種)だし、ワインストックルームは、ドイツ製の厚さ37.5cmの穴がたくさん開いたような計算されつくしたレンガで造られ、断熱効果抜群!暑い夏でも20℃を超えることはないのだそう。その他いろいろ難しい設計の説明書が醸造所内部に置いてあったけれど、ともかく電気の力に頼らずに室内の温度を一定に保てる工夫が満載のすばらしいカーヴだ。

断熱性の高いレンガ 断熱性の高いレンガ断面図
断熱効果の高いレンガ、断面図

お昼過ぎに到着した私たちに供されるのは、もちろんアペリティフ。(フランスだから、これは当然のこと!)日本に輸出するほどの量はないものの、ゴダンさんはアペリティフ用の飲料をいろいろ造っている。私たちがいただいたのは次の3種類。

*Rogomme blanc(ロゴム ブラン)――ねっとりとした甘さのお酒で、この地方ではよく飲まれるもの。
*Parfait Amour(パルフェタムール)――これは、ラタフィアと呼ばれるブルゴーニュなどでもよく造られる食前・食後酒。すご~~く甘い。このものすごい甘さは「完璧な愛」という名称にも表れているのかも。
*46 Esprit de Noix(46エスプリ ド ノワ)――これはヴァン ド ノワといって、フランスの家庭でもよく作られる食前酒。胡桃がまだ青いうちに、赤ワインと砂糖を漬け込んでできあがり。でもさすがワイン農家さんがいいワインで造るヴァン ド ノワは、とても洗練されていて、3種類の中ではこれが一番お気に入り。

食前酒
左からパルフェタムール、46エスプリ ド ノア、ロゴム

奥様がいたからそもそもビオディナミをやっている、というビオディナミ博士ともいえる奥様は、残念ながらポルトガルのオーガニックワイン農家を訪ねる旅に出られたとかで不在。う~ん、実は奥様にいろいろ聞き込みをしたいと思っていたのにちょっと残念・・・と思いつつも、「まずは食事に行こう」と、村内にあるゴダン家定番のレストランへ。このあたりの食事の特徴として、前菜とメインのほかに具だくさんのスープが登場する。この日、昼・夜と2回レストランで食事をしたけれど、これは2回とも同じ。とてもおいしいけれど、調整して食べないと最後までたどりつけなくなる(笑)。ちなみにこの日のメニューは、前菜がクリュディテ(にんじんやビーツなどを千切りにして食べるサラダ)、野菜たっぷりスープ、そして鴨のモモ肉をオリーブの実と煮込んだもの。日本に来るとどうしても高級で普段飲みにはしづらいゴダンさんのワインも、今日はテーブルワインとして好きなだけいただける♪地元の料理には地元のワイン。

ボアソーさんは、「今ではあまり品がいいとは言えないけど、力仕事をしている人たちはこんな食べ方もよくしたんだよ」と言いながら具沢山のスープを少しお代わりしたと思ったら、なんとそこに赤ワインを!グラスの3分の1~半分くらいは入れていたように思う。

こういうときは、いつだって“やってみる”ことが期待されている(笑)。あまり気は進まなかったけど、ボアソーさんとゴダンさん、二人の“おっちゃんたち”がニコニコ見守る中、スープの残りに赤ワインを注いで飲んでみると・・・ん~、微妙(大笑)。私はそれぞれバラバラの方が好きだなあ。でもきっと温まるだろうなあと思った。寒~い冬、朝からずっと働いて、ようやく昼の休憩、というときにほかほかのスープをたっぷり食べて、最後にちょっとこの赤ワインを注いで飲むのがきっといいに違いない。

メインの鴨はゴダンさんのワインと相性ピッタリ。レストランというよりも、家庭でご馳走になっているような素朴な味わいが、気張らずに飲むカオールとこんなにしっくりくるなんて。どちらも進んでしまって嬉しいような、困ったような組み合わせだった。そして、既に3皿食べてるわけだけど、それで終わらないのがフランスの食事。次に出てくるのはチーズ。このあたりの名産のシェーヴル、ロカマドゥールがお皿にボンボンと盛られ、「好きなだけ食べていいよ!」と言われるものの、とてもそんなには。。。何とかデザートにたどりついて、長いお昼が終了。

さあさあ、このカロリーを消費しないと!というわけではないけれど、ようやく本来の目的、畑の見学へ。ゴダン家の畑はドメーヌのすぐ横にあり、早速見て回る。

畑
畑の様子

ボジョレーのチエリー(生産終了)のところでも雹の被害が大変だったらしいけど、ここゴダン家にも雹はやってきたらしい。4月にかなり大きなものが1回、その後2回くらい、雹がゴダン家を襲ったのだ。やはりダメージは受けていた。自然のなすことだから、一生その被害を受けない人もいれば、何度も受けてしまう人、数年に一度大きなものに襲われてしまう人もいる。自然がないと農業はできない。けれど時としてその自然が、農業という職業にとってもっとも大きな敵となる。厳しい現実だ。

「2007年の収穫量はすごく少なくなるよ。ただ悪い部分を徹底的に選別して、いいブドウだけで仕込むから、量は少ないけれど高品質のものになると思う。」とはゴダンさんの弁。そう、自然とうまく折り合いをつけて最高のものを引き出すのが、農業そして醸造の両方を担う人の腕の見せ所だ。いつもよりきっと手間ひまかかる、蔵での時間が長いミレジムとなるだろうけれど、その分出来上がりも楽しみだ。すっかり色よく実っているように見えるブドウだが、これからが本格的に熟していく時期だそう。これからの乾燥具合や寒暖差などが最終的なブドウの糖度を決定していく。「美味しく育ってよ」と祈らずにはいられない。

ぶどう
こんなにおいしそうに見えるのに、まだまだ熟しが足りないぶどう

畑に近いところにある、道具小屋(といっても、醸造所と同じくらい広い)を見せてもらったあと、常連のお客様が登場したことで、一路、試飲・販売スペースへ。一部ポリフェノール入りの化粧品販売スペースと地元やオーガニック関連の資料コーナーはあるものの、あとはいろいろなボトルがずらりと並ぶ。

カオール2002、カオール1996、ケルシー2000、ケルシー1995を試飲させてもらう。ボトルとワイングラス2個のセットが販売されていた。ステムのところに輪っかのようなものがついたかわいらしい形のグラスはカオール特有のものらしい。私たちの訪問中に常連のお客さん2組のほか、飛び込みのお客様も1組登場。お客さん、目の付け所がいいわ。本当にいいワインだから、ぜひたっぷりと買っていってね~。

試飲 カオール特有のグラス
カオールタンクの前で試飲、カオール特有のグラス

さらに続いて発酵、醸造のカーヴへ。全体的にとても清潔。タンクやカーヴ内の掃除にラベンダーのエッセンシャルオイルを利用することを考案中だそう。香りがちょっぴり心配だけど、ラベンダーは防虫効果や殺菌効果もあると聞くから、うまくいくと各地のオーガニックワイン醸造家たちの間で盛んになるかも。温度調整が可能なステンレスタンクをはじめ、発酵用にはステンレスタンクを使用。熟成用には地下にセメントタンクと樽が並んでいる。地下の熟成室では、7月に入れたばかりという樽から2006年のカオールを試飲させてもらう。これが面白くて、大小2種類の樽にそれぞれ同じワインが入れられているのだけれど、わずか2か月足らずのうちに、既に違いが現れている。ワインの妙はここにある。造り手の技と経験、そして勘。設備も大きくモノを言う。あのワインたちが今頃どうなっているのか、とても気になる・・・

再び1階の発酵カーヴに戻ると、「そういえばこんなものも造ってるんだよ。」とレモンの蒸留酒を飲ませてくれた。本当にすごいレモンの凝縮感。香りはエッセンシャルオイル並みに最高だけれど、飲料としては正直難しいんじゃないかしら。。。

一通りドメーヌを見てまわった後は、車に乗って近隣の観光スポットへ。ロット川を巡る周辺は本当に美しい場所。これまで一度もこの地方に来るチャンスがなかったけれど、素晴らしい景色!

景色
高台からカオール地方を見下ろす。右に見えるのはロット川

奥まっているのであまりアクセスは良くないけれど、いつかお客様と一緒の旅行などでも連れてきてさしあげたいところ。自然がそのまま残されているところが多く、ゆったりと過ごすのにとても良さそう。しかもゴダン家のすぐお隣は、オランダ人が経営するすごくステキなヴィラがあり、宿泊設備も万全。ただこんなにも自然が美しいこのカオール・ケルシー地方ではあるけれど、約470のブドウ農家が存在するうち、オーガニックはたったの5農家。ビオディナミにいたっては、ゴダン家が唯一というから、本当に希少な存在。そもそもケルシーに限定すると一般オーガニックをすべてあわせてもたったの25農家しかいないのだそう。何とも貴重なワインを扱わせていただいていることがとてもとてもよくわかる。

一日の最後は、ロット県の情報誌のジャーナリスト夫妻とともにお食事。ゴダンさんがとてもいい関係を持っておられて、来年10周年を迎えるマヴィの広報担当者来訪という内容の記事を掲載してくれることになり、それを記念して一緒にお食事。雑誌の内容こそ地元の記事が99%というものの、ジャーナリスト自身はボアソーさんが「若いのにとても感心!」とコメントするほど、専門ではないのにワインに非常に関心を持っていて、よく知っている。奥さんも廃棄物やリサイクル関係の仕事をしていることもあり、オーガニックワインを造っているゴダンさん、そしてそれを購入している私たちとはとても気があって実に楽しい食事だった。こうした人が周りにいることも、オーガニックにはとても大切。

ボアソー家を出てから考えるととても長い一日を終え、本日はゴダン家に宿泊。私がお世話になったのは、ゴダンさんのポリフェノールスパを使ったエステができる部屋の階上に作られているゲストルーム。黄色が基調のとても美しい部屋で、シャワー、トイレ、キッチン等すべて付いているのでとても便利。さらにゴダンさんはもう1軒、塔のような形をしたゲストハウスを建設中。本当にどこに行っても驚くけれど、土地が広いからできることとはいえ、何でも自分たちで作ってしまうからまったくすごい。この建物もできあがったらとてもステキになりそうで、次回の訪問が楽しみ。

訪問の締めくくりは、何といっても翌日の朝食!なぜって、オレンジジュース、カフェオレ、パン、バター、手作りジャムはまあ当たり前として、そこに登場したのが何とトリュフが惜しげもなくふんだんに削られたスクランブルエッグだったから!!

スクランブルエッグ
これっ!トリュフがふんだんにかかった最高のスクランブルエッグ

あまりの驚きとおいしさにボアソーさんと朝から大興奮!!!香りといい、舌触りといいいもう本当に最高~~♪地元とはいえ、まさか朝からこんなサプライズが待っていようとは、ゴダンさんも本当ににくい。さらには、ケルシー地方名物のくるみを使ったお菓子まで供されて、

デザート チーズ
デザートとチーズ

至福のときはゆっくりと過ぎていき・・・たった1泊2日ながら、この地方のもつ魅力を存分に味わった滞在となった。もてなしの名人、ゴダンさん、次回は絶対奥様に会いに(そしてポリフェノールエステを体験しに←これ結構ポイント・笑)また近いうちにやってくるぞと誓ったのでした。


レポート:2007年8月(長谷川)


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