セガン家
セガン家のプロフィール
フランス・コニャック
ル ヴュ スーショ
Le Vieux Souchot ( Roland Seguin )
認証は1982年より
コニャック市の北部に9.6haのぶどう畑を持ち、栽培から蒸留までを手がけるコニャック、コニャック地方では珍しい赤ワイン&白ワインを造る。彼らのオーガニックワインと和食の相性は最高。
セガン家の詳しい情報
【オーガニック歴】認証は1982年より
コニャック市の北部に9.6haのぶどう畑を持ち、栽培から蒸留までを手がけるコニャック、コニャック地方では珍しい赤ワイン&白ワインを造る。彼らのオーガニックワインと和食の相性は最高。
フランスはボルドーの北に位置するコニャック地方。ブランデーのコニャックであまりにも有名なこの地方で、素晴らしいコニャック、リキュール、ワインと、さまざまなお酒を造っているのがセガン家です。
どれも本当に美味しい!
特にマヴィで常に上位の人気を誇るヴァン ド ペイ シャランテ 赤&白は毎日の食事にぴったり。和食との相性も最高で、白は、まるで日本酒のようにキレがあり、お刺身やお寿司など生魚にも合わせられ、お寿司屋さんでも使っていただいています。
マヴィ店主田村が、ディジョン(ブルゴーニュ)名物のカクテル、キール ロワイヤル(クレームドカシスをスパークリングで割ったもの)をつくるために、オーガニックのクレーム ド カシスを探したところ、ブルゴーニュには見つからず、フランス中探してようやく見つけたのがセガン家のものでした。
それが、マヴィとセガン家の出会いのきっかけです。(現在はリキュールは製造を終了しコニャックのみの取り扱いです)
スタッフの訪問記【2006年9月】
セガン家の住居と、畑、醸造所は、コニャック中心地から車で30分ほど離れた、静かで穏やかな場所にあります。スタッフが訪れた時には見慣れぬニホンジンに吠える犬の声が辺りに響く唯一の音。土地は平らで、周りもぶどう畑。頭上にはとても美しい色の空が拡がっていました。
出迎えてくれたのはローラン セガンさん、奥様のクローデットさん、娘さんのカリーヌさん。現在、ご夫妻とカリーヌさんの畑を合わせて、20haあるそうです。内、15haは白ぶどう、5haが黒ぶどうで、全体の80%がコニャックになります。
ぶどうの樹齢は30年。
畑の次に醸造所へ。ステンレスタンクはぴかぴかでしたが、醸造所全体は質素で、年季が入っています。北方なのでそれほど暑くならず、空調設備もありません。暑い時は屋根に水をまいて温度調整をしているそう!
蒸留器も、こじんまりとして、やはり年季が入った感じ!
実はセガン家訪問前に大手コニャック会社を見学してきたので、そことあまりに対照的で、面白かったです。
- 白ワインを入れて、ワインを軽く(50度くらい)温め、
- 蒸留して、←昔は薪だったそうですが、今はガスだそうです
- 元のタンクを貫通する管を経て、
- 液体となり、
- 樽へたまる
大雑把に言うとこういう手順で2回蒸留して、樽熟成させます。
通常は【2】から始めますが、 セガンさんのところには【1】のタンクがあります。一旦機械が動き始めると、【1】貫通する管を蒸留後の熱いコニャックが通ることによって、蒸留前のワインは温められ、コニャックは冷やされるというわけです。省エネ!
ちなみに、白い部分の真ん中に蛇口がついているのですが、それは何かとたずねたら、①のタンクに入れすぎたらそこからワインが漏れてくるのでわかる、と便利なのか「?」な機能を持っているそう。
大手との一番の違いは、セガンさんは違う年代を混ぜないということ。
大手訪問時に、「このブランドのコニャックという名前から消費者が期待する味がある。いつのものもその期待を裏切らないように、さまざまな年代を微妙なバランスで合わせて味を調整している」と説明されましたが、セガンさんは、毎年違うのは当たり前、単年で造れるものを敢えて混ぜてしまう必要が逆になぜあるの???と、嬉しい発言!
その違いを楽しみたいんです、マヴィは!
その後に見た、素朴な木のタンクにも、愛着すら感じてしまいました。頭をよぎったのは、大手のきらびやかで巨大なアッサンブラージュ用の(各年代のコニャックを混ぜるための)、17,500リットル(約2万本分)入るタンク×数百個…。
また、セガンさんのコニャックに使うワインには、SO2添加は一切しません。コニャック生産者でも使っているところはあるでしょうが、蒸留時に匂うし、出来たワインをすぐに蒸留するからセガンさんには必要ないそうです。
一通り見学させていただいた後、昼食をご馳走になりました。飲み物はもちろん、パンからチーズまで、食べ物もすべてオーガニック。近所の生協で買えるそう。なんとも羨ましい環境です。
アペリティフにナッツとオリーヴ。続けてセガン家で取れた野菜のサラダ(トマト、きゅうり、ビーツ)。
キッシュ ロレーヌ。
豆ローストポーク、付け合せのレンズ豆。
デザートに、チョコレートムースのガレット添え。
チーズ各種。チーズの中には地元のシェーブルがあり、シャランテ白とよく合いました。
そして、〆はなんといっても、コニャック ナポレオン!15年熟成!なんと香り高くまろやかなんでしょう……。ここでも、ランクは違うながらに、大手で試飲したつんと硬いコニャックを思い出してしまい、改めてセガンさんの素晴らしさを実感しました。
セガン家の人々は、静かで、穏やかで、のんびりとした温かく、長旅の疲れも、そのお人柄とおもてなしで、癒されてしまいました。ありがとう!
家の中に飾ってあった、焼き物の猫の形をした鈴。明らかに日本のものだったので、どうしたの、と聞いてみると、「ムッシュウ タムラにいただいたのよ」と嬉しそうに答えてくれたクローデットさんの優しい表情が忘れられません。
この素朴な家族が当たり前という顔をして、昔ながらの造りを続けている結果が、あのコニャックであり、リキュールであり、ワインなのです。
レポート:2006年9月(田村)