ディヴァルト家
ディヴァルト家のプロフィール
オーストリア・ニーダーエスタライヒ
ヴァイングート ディヴァルト
Weingut Diwald
1980年から
18世紀から続くワイン農家で、オーガニック歴40年以上の、オーストリアオーガニックワイン界のパイオニア。2009年から当主を務めるマーチンは新進気鋭の造り手として、伝統と革新を融和したワイン造りで土地と品種の特徴を最大限に引き出す。
ディヴァルト家の詳しい情報
【オーガニック歴】認証は1980年より
18世紀から続くワイン農家で、オーガニック歴40年以上の、オーストリアオーガニックワイン界のパイオニア。2009年から当主を務めるマーチンは新進気鋭の造り手として、伝統と革新を融和したワイン造りで土地と品種の特徴を最大限に引き出す。
21歳でワイン造りのすべてを管理し、22歳でワイナリーを継いだ当主
マーチンさんは末っ子の23歳(2010年現在)。
旅行、サッカー、読書が趣味という、それだけ聞けばどこにでもいる普通の若者です。
しかし、彼はこの若さでオーストリア国内のほか、フランス、ニュージーランドでもワイン造りを学び、2009年からワイングート(ワイナリー)ディヴァルトの当主となった、「どこにでもいない」頼れる青年です。
農家としての歴史
マーチンさんの父方の祖父も、母方の祖父も、またマーチンさんのご両親も農業を生業としてきた筋金入りの農業一家。しかし昔は家畜飼育、野菜や穀物の栽培が主で、ワイン造りは趣味に近いものでした。
ディヴァルト家が他の農家と違うのは、マーチンさんの父上ハンスさんが1980年からオーガニック農業を実践していること。ヨーロッパ諸国の中でもオーガニックの意識が高いオーストリアにあって、オーガニックワイン生産者のパイオニアといえます。
やりがい
さてワイン造りに従事できることを「幸運」と言うマーチンさん、やりがいを感じるのはどのようなときでしょうか?
マーチン:もちろん、ワインを飲んだ人からいい反応が返ってくるときが一番。
ワイン造りに関して言えば、ワインが生成されていく過程で、自分が一切手を加える必要がなくなるポイント。私にとって最高のワインというのは、人の手を入れる必要のないものだと思っています。それは既に畑から始まっていて、ボトルの中のどこかで終結するのです。
また、収穫のあと蔵に行って、いろんなタンクの試飲をするときも幸せを感じます。そしてそれが、「よしいいぞ、お、このタンクもいい、あ、このタンクもバッチリ…」となっているとき、それが私の幸せです。
もちろん大変なこともあります。ワインは自然の産物なので、年によって変化があります。例えば天候や病気の面で良くない年は、最初から格闘から始まったり、要求される品質のものを造り上げるために細心の注意を払わなくてはならないこともあります。オーガニックワイン造りに対する認識不足も困ったものです。いまだにいわゆる「ワイン愛好家」たちの中には、オーガニックワイン生産者に難癖をつけたがる人たちがいます。
オーガニック
ディヴァルト家がオーガニック転換したのは1980年。オーガニックに対する理解などほとんどない時代でした。
ある日マーチンさんのお姉さんが畑のとうもろこしを食べようとしたとき、ハンスさん(マーチン父)は慌てて止めました。
「自分が作っている野菜を、自分の子どもに食べさせたくない」
この小さいようで大きな事件をきっかけに、ハンスさんは化学肥料と農薬を使う慣行農業から、オーガニックへの転換を決意したのです。
ハンスさんが始めたオーガニックワイン造りを引き継いでいるマーチンさんは、それをとても誇りに思っています。
例えば市販の農薬散布について警鐘を鳴らすような記事を読んだとき、それを使っていないことを誇りに思う。
「もしオーガニック栽培ができないという人がいるなら、たとえ一部でもチャレンジしてみるべきです。誰でも除草剤は必要ないと知っています。ただそれが便利だからというだけなら私には必要はありません。」
ワイナリー
ウィーンといえばハプスブルグ家の華麗な文化が栄えた美食の都。ワインと食のレベルが非常に高いことは、誰もが認めるところ。
そんなウィーンのごく近くにありながら、観光者が訪れることのない、静かで自然が驚くばかりに美しい土地にディヴァルト家のワイナリー(ワイングート)はあります。
ワイナリーの約100km先にはアルプスが広がっています。その影響で丘も見られ、いっそう景色を美しくしています。加えて10kmほど離れたところを流れるドナウ川が気候を特徴づける要素です。
気候は温暖な大陸性気候で、年間降水量約400mm、日射時間1500時間程度。ワインの大きな特徴となる土壌はレス(黄土)。
ワイン造り
マーチンさんが心がけているのは、酵母、酵素*、栄養分といったものは一切加えず、可能な限りピュアなワインを造ること。ディヴァルト家では、手を加えることといえば温度調整(これはコンピューターを使って、完全管理)くらい。
その土地独自の、その土地特有の、地球に根ざしたワインを造りたいそうです。
だから、特に力を入れているのはオーストリア独特の地場品種グリューナーフェルトリーナーのワイン。
畑面積 | 17ha |
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地質 | レス(黄土) |
剪定 | 原則は2股方式(年による) |
フィルター | 使用 |
清澄 | 行う場合もある |
熟成方法 | ステンレスタンクと若干の樫樽 |
収穫方法 | 手摘みと機械 |
(左から)雑草の生い茂る畑、畑は区画ごとに管理、霜を避けるため地上90cmくらいから葉をつけさせる