1998年にフランスで1年間生活し、複数のオーベルジュでフランス家庭料理をみっちり仕込まれる。
その後も毎年最低1回3ヶ月はフランスを訪れている。
フランス滞在時はオーガニック農家民宿(通称「山の家」)で料理人として働くプロ。
作る料理はもちろん美味、ワインにぴったりです。

今年も1月後半、恒例のミレジムビオ参加のためにフランスに来ています。ミレジムビオとは、フランスで開催されるオーガニックワインのみの展示会のことです。マヴィが誕生した頃の出展者はわずか30程度でしたが、今や600に届こうかという勢いです。国もフランスだけでなく、イタリアやスペインといったヨーロッパ勢はもちろん、今では南米や中東などからの参加もあります。今回は社長の田村がフランス大使館の方とボアソーさんとともに、セミナーでも登壇することになっていて、マヴィとしてもいつも以上に重要な訪問になっています。展示会終了後は、今年はイタリアとオーストリアの生産者を訪問します。
いろいろなチーズ
ここのところミレジムビオに来るときは必ず、まずはブランケット ド リムーのベリュウさんを訪問しています。それはベリュウさんがミレジムビオに出展されないので、この機会を利用して会うためです。ミレジムビオが月曜日〜水曜日の日程なので、私たちは日曜日の朝フランスに入り、ベリュウさんを訪問して、その日中に展示会会場のあるモンペリエに来るというわけです。2011年は量こそ取れなかったものの、品質はすばらしいぶどうが収穫できたそう。量といえば平均で1ヘクタールあたり24ヘクトリットルというのでかなり少ないことがわかります。カイロルがものすごく評判が良いことにとても喜んでくださっています。カイロルは前日に開けるくらいのつもりで早めに抜栓しておくことがより美味しくいただけるコツだということなので、皆さんぜひ実践してみてください。もちろん一度に飲みきれないという方は、当日と翌日の変化を存分に楽しんでくださいね。
ポトフをかきまぜ取り分けるベリュウさん。隣は奥様
ベリュウ家訪問の楽しみの1つは奥様の手料理。まさにこのコラムのテーマである「おいしい家ごはん」です。2009年の収穫時期に訪れたときはクスクス、一昨年はサラダ+ソーセージ+グラタンドフィノワ、昨年は野菜たっぷりスープ+チーズ、そして今年は珍しい魚介類のポトフ+チーズでした。チーズもこの時期はヤギが妊娠中でミルクの入手が難しいフレッシュのシェーブルとアルザス名産のマンステール以外はすべて地元のもの。ピレネー産の羊のミルクで作られたチーズは、直径20cm以上はある塊をそのまま。聞くところによるとそのチーズの生産者の方と、ワインと交換したものなのだそうです。物を作ってるっていいなあ〜、とつくづく感じる瞬間です。その他熟成度合いが3段階違う同じ作り手の牛のミルクのチーズ、フレッシュな牛のミルクのチーズににんにくやハーブを混ぜたものと全部で7種類も登場。さらに圧巻はデザートで、なんと羊のミルクで作られたアイスクリームでした。あちこちでかなりいろんなものを食べさせていただいている私ですが、さすがにこれは初めて。味もいろいろあって、バニラの香りさえつけていないプレーン、スミレ、野生のベリー、さくらんぼ、ラムレーズン、ヘーゼルナッツとあって、食いしん坊の私は「全部をちょこっとずつ!」と子どものようなことを言ってすべて味をみさせてもらいました(笑)プレーンの野性味はかなり印象的。そしてミルクの濃厚さのおかげでとてもクリーミー。どれもそれぞれ美味しかったけど、あえて言うならヘーゼルナッツと珍しいスミレが良かったかな。
というわけで、今日はベリュウ家でごちそうになった、ポトフとしてはとても珍しい、肉ではなくお魚を使ったポトフをご紹介します。ポイントの1つは一緒に添えるソース。ソテーしたお魚や鶏肉などにもぴったりだと思います。お鍋で煮るだけの手軽だけど味わい深いお料理。おいしい白ワインと一緒にどうぞ。


※ 日本だとさらにあさりを足してもとても良いだしがでて美味しいと思います。パセリとコリアンダーのソースは非常に香りが良くてお魚に良く合います。お魚を変えたり、野菜を変えたりしてぜひいろいろ楽しんでみてください。
合うワイン:コート カタラン (樽熟) 白、ボルドー(アントル ドゥー メール) 白 - シャトー プショー ラルケ、コートドプロヴァンス白、アルザス ゲヴェルツトラミネール 白、ブルゴーニュ アリゴテ 白
2012年1月23日